第6話 外へ出てみよう②

玄関がどこかわからない。


それは必然で必須の疑問だ。


いま来たばっかりの俺が知らない家の間取りを理解しているわけがない。


あの本一般常識だけ与えてこの家のこととか教えてくれなかった。

非常に不親切である。


「ここか?」


クローゼットだった。


「ここか?」


第二のトイレだった。


「ここか?」


第二の階段だった。


そしてしばらく探しているときだった。


「ここじゃね?」


旅館ぐらい大きな石畳が一段下のところに貼られておりその先には他の扉とは違う素材でできた扉が存在していた。


俺は置いてあった靴を履き扉を開ける。


するとそこには見慣れない道路が存在していた。


「マジで昭和やんけ」


しかも初期。


木造の家々が連なり無造作に建てられた木でできた電線塔。そして無駄にでかい現代とは違ったバスのような車が前を通り過ぎる。


これを異常と見ない人がいるのだろうか。


心を落ち着かせるために外へ出たのにこれでは目的が達成できない。


取り敢えず散歩してみることにした。

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