第12話 相撲!!
中域に入って少し経った頃、俺とピピンは目的のスモーキーガストを探しながら、ヘドロ芋虫とプラントウルフと戦っていた。
ヘドロ芋虫はヘドロ状の腐食液を吐きかけてくる芋虫モンスターだが、体表もヘドロに覆われているため、動きはとてつもなく鈍い。
プラントウルフは植物に魔力が宿り狼の形を成したモンスターで狼の俊敏さと攻撃力に加えて全身が草や蔦で出来ていることから、それらを駆使し絡めたり鞭の様に打ち付けて攻撃してきたりする、なかなか厄介な奴だ。
厄介な2匹だが、弱点がある。どちらも火に弱い。しかもヘドロ芋虫のヘドロはガスも含んでいるため、よく燃えるし爆発もする。
だから、俺たちは連携で仕留めることにした!
すかさず俺は『シャドウバインド』を発動し、動きを一瞬止めたところで、ピピンが盾を構えてプラントウルフに体当たりをする。
ただ闇雲に体当たりをしたのではなく、ヘドロ芋虫にぶつかるように体当たりをしたのであった。
ピギィー!ギャウン!という2匹がぶつかる音を奏でた瞬間にレイは2匹の影にナイフを突き刺した!
「影縫い!」
すかさずピピンが魔法を唱えた!
「ファイ!」
威力は弱いファイがヘドロ芋虫のガスヘドロに引火し爆発を起こす!
爆発に飲まれプラントウルフもろともヘドロ芋虫は燃え尽きた。
2匹が息絶え、煙が晴れるのを待ち魔石を回収しようとしていたところ、いつまで経っても煙が晴れない。
おかしいなと思いおもむろに近づいたところ、ピピンが得たいの知れない何かに吹っ飛ばされた!
ドゴーン!ズザザザー!
「ぐぅぅ!」
「おい!ピピンどうした!大丈夫かぁ!」
かろうじて意識のあるピピンを起こし薬草を与え、煙を注視すると煙が纏まりだし、その奥には魔石を喰らう1匹のモンスターが見えた。
「ピピン大丈夫か?あれはスモーキーガストか?なんか感じが違うような気がする。」
「あぁ助かったよ!急に攻撃をされたんだ。おかしいな。スモーキーガストだったら俺はあんなにダメージを受けなかったハズだし、そもそも見分けがつくから攻撃なんて当たりはしないはずなんだ。」
2匹の魔石を平らげた異形のスモーキーガストは雄叫びをあげた!
「グォォォォォ!」
そして、それは変異した!
雲型の煙が集まり大きな人型を形成した。
「あっあれは!変異強化種スモークラウド!」
スモークラウドは雄叫びをあげながら、まるで四股を踏むように大地を鳴らし2人の前に立ち塞がった!
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