22ー1. 娘に告白された!?
「私と付き合ってください!」
「つ、突き合うーーー!?」
「えぇええええええ!? あ、あなたたちは何と何を突き合う気なの!?」
相変わらずうるせぇなぁコイツ!
詳細は絶対に聞きたくはないが、こいつとんでもない勘違いしてるだろ!?
「
「う゛っ」
アホは放っておこう。
今は
「そんなに俺とツキ合いたいのか……」
「うん、
俺は何となくこの日が来るような気がしていた……。
前世の俺は親父の影響で剣道と柔道をみっちり習っていた。
――いつの日か、
「ツキ合うっていうのはダメだ。危険だからな」
「えっ……」
「まずは琴乃からツキを打ってこい!」
「好きをうつ!?」
「俺は大丈夫だから思いっきり打ってこい! お前のありったけを打ってくるんだ! 俺が全部受け止めてやる!」
「そ、そんなの恥ずかしくてできないよぉ!」
「な、なによ!
またしても
「はぁああ!? お前は黙ってろ! ややこしい!」
こいつ頭の中は真っピンクか!
今は
「じゃ、じゃあ
「あぁ! もちろんだ! お前がツキを打ってきたら俺も誠心誠意、それに答えてみせるよ!」
「やったー!」
ふっ、やっぱり血は争えないな。
「好き!」
「お、おう……?」
「
「? 何度も言うけど一番大切な人だよ」
「うへへへへ」
琴乃の顔がとろんとろんにとろけていく。
「じゃ、じゃあさ! これで決まりだよね!? 今度正式におばあちゃんに会ってくれる?」
「もちろんだ! って、んっ?」
何で剣道のツキの話でうちのオフクロが出てくるんだ?
ツキなんてしたらうちのオフクロ死ぬぞ?
「えへへへへ、そのうち結婚とかになっちゃったりして?」
「「結婚!?」」
思いっきり
※※※
「
放課後になり、
早々にバイバイされて、
せ、背中に嫌な汗をかいてきた。
やばいところで決定的に食い違っている気がする……!
「ちょっと
「俺が聞きたいんだけど」
「あ゛ーーー! 早速浮気してる!」
「「う、浮気!?」」
またしても
何がなんだか全然分からない!
「
「待て待て待てーーい!」
「
「もちろん」
「
「当たり前だろ!」
「えへへへへ。じゃあ許してあげる」
まだ教室にいるのに、
まるで時でも飛ばされたみたいに事態が飲み込めない。
「じゃあ
「お、おう」
きょ、今日の
考えろ……。
何があったか考えるんだ!
「こ、
「だって彼女だもーーん!」
「「か、彼女ぉおおおお!?」」
はぁああああ!?
何故だ! いつの間にそうなってたんだ!
「い、いつから!?」
「いつからって体育の前の時間だよ。
体育の前……?
あれは確か、剣道のツキの話をしていたような。
ツキあう……突き合う……付き合う……?
「あ゛ぁあああああああああああああああ!!!」
言ってた!
確かに付き合うって言ってた!
し、しまったぁああああ!
あの時の俺は久しぶりに競技としてできる剣道に心が浮かれていた!
「ど、どうしたの
「な、なんでもない!!」
とんだ大馬鹿者だ!
無意識とはいえ、娘の攻略を一歩どころか二歩も三歩も進めてしまっていた!
こ、こんな失態、天国にいるアイツに怒られる! 顔向けできない!
「ま、まさか突き合うって本当にそういう意味だったの……?」
察しの悪い娘の友達が、すこぶる頭の悪いことを言っていた。
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