第17話 葛城復帰
2022年、2年にも及ぶ追跡にも拘わらず、東武署は連続強盗犯の瑞城愛菜と清水真凛を逮捕することができず、刑務所から仲間を奪回されてしまう。業を煮やした東武警察署の署長、獄門は県知事の加藤翔を説き伏せ、数年前に解散させられていた東武署の元捜査官、葛城を雇う。加藤知事は獄門の提案を渋々受け入れる。当初、家族と静かに暮らすことを願っていた葛城は断ろうとするが、愛菜と真凛が滝谷町で引き起こした銃撃戦についてのニュースを聞き、敢えて引き受けることにする。その後、かつての葛城の相棒で酒におぼれ、生活苦に陥っていた上戸が相棒となる。葛城は上戸に運転を任せようとしない。
この2年、東武署は愛菜と真凛の関係者の電話を盗聴している。葛城と上戸はその記録に目を通し、二人は車で故郷の雀宮へと向かうと確信する。雀宮に到着した後、2人は愛菜の母親の家にガラス瓶を投げつける男性とその瓶を拾う少年の姿を目撃する。不審に思った2人は少年を追いかけるが、逃げられてしまう。そこに来た東武署捜査官の米倉は、真凛はスパロービルに潜伏している可能性が高いと言い、老いぼれは追跡から手を引くべきだという。
罵倒されたことで発奮した2人は、真凛と愛菜の子供時代からの友人で顔を識別できる獄門路美に会いに行き、路美に同行を願う。2人は路美が愛菜の射殺を躊躇う可能性を心配する。翌日、3人は真凛と愛菜が警察官2人を射殺したと聞き、事件現場を調査する。葛城はその残虐さに驚くとともに愛菜が白いウサギを伴っていることを知る。路美は家族へのプレゼントだろうという。
葛城と上戸は路美を置いて管轄外の霧降高原と向かう。道中、立ち寄ったガソリンスタンドの店員が愛菜と真凛に共感的な発言をしたため、激怒した葛城は店員に銃を突き付ける。店員は、真凛と愛菜が移民向けのキャンプに向かったと告白する。キャンプで2人は、少女に会い、真凛たちは来たが今はいない、と聞く。捜索中、2人はラジオを通して20キロ先で真凛たちがまたしても警察官を殺したことを知る。2人は現場へと急行するが、霧降高原は管轄外であるために、現場に入ることすらできない。苛立つ葛城は、真凛たちが日光で物資を補給するはずだと考えて向かう。真凛たちを日光で見つけるが、群衆が2人を取り囲んで歓声を上げたために発砲できない。やむなく、葛城と上戸は町の外で真凛たちを待ち伏せするが、真凛たちは道路を大きく外れ、砂地へと逃走する。大量の砂塵の中で、2人は真凛たちの車を見失ってしまう。
翌日、葛城と上戸は宇都宮に戻り、ウサギが愛菜の家族に届けられたことを知る。真凛の父親のヘンリー真一に会う。真一は娘が生きては戻らないことを予期し、逃走を終わらせてくれと頼む。
その後、葛城は上戸の発案で、真凛たちの知り合いの京子という囚人を釈放するよう獄門に掛け合う。葛城が酒場で京子から情報を聞き出している頃、上戸は酒場のトイレで真凛たちに肩入れする3人の男に襲撃されるが、あっさりと撃退する。翌日、真凛が美容師に会う約束をしていると聞いた2人は、真凛の家に張り込み、家にガラス瓶を投げつける男性とその瓶を拾う少年の姿をまたしても目撃する。2人は少年を捕まえ、瓶の中に、刑事2人がお前たちをつけているというメッセージを見つける。2人は京子が裏切ったと考えて彼の家に急行し、彼女の惨殺死体を見つける。上戸は自分を責め、葛城と口論になるが、和解して追跡を続ける。長年の経験からアウトローは故郷に帰りたがる傾向があると知る2人は、真凛たちの仲間、大志の父親、志郎が住む下野市に向かう。
志郎の家に到着した2人は真凛たちの痕跡を発見する。地元の刑事が腐敗していないことを確認したのちに協力を求め、志郎にも協力を迫る。志郎は息子の安全を求め、真凛たちが間もなく一本道で家にやってくることを漏らす。ほどなくして、路美と日向副署長が宇都宮から駆けつけてくる。その夜、上戸はかつて強盗団を皆殺しにし、逃げようとした13歳の少年も巻き添えにしたことを語る。
志郎が来て、翌日真凛たちが家に来るという。翌日、葛城は志郎に一本道で車が壊れたふりをして真凛たちを引き留めるよう命じる。計画通りに真凛たちがやって来て車を停める。葛城が姿を現して投降を呼びかける。だが真凛たちは銃を抜こうとし、待ち伏せしていた日向たちは車に大量の銃弾を浴びせかけて二人を殺す。
多数の穴の空いた車と二人の死体が運ばれ、群衆が集まる。帰る道、葛城は上戸に運転を任せる。
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