974 謝罪は感染するもの

 崇秀の悪口に対して、ブチギレしてしまった眞子だが。

崇秀の『オマエが居れば、他の誰かに何を言われても良い』と同時にキスをされて、完全に毒気を抜かれた眞子は、場の空気を乱した事について、みんなに謝罪をしたのだが……


***


「コッチこそゴメン。あの時、あたしが、あんな余計な事を言わなきゃ、此処まで話が拗れる事なかったのにね。……眞子、ホントごめん」


あらま。

まさかの一番最初に私の謝罪に反応してくれたのが、ミラーさんですか。


へぇ~~~、じゃあ、中々私ってジャイアント・キリングな人ですね。



「あぁ、良いんですよ。私が幼稚な子供なだけですから。コチラこそ、ホントにすみませんでした」

「眞子……あのさぁ。あたし、あんな事を言っちゃったけど。別に仲居間さんの事が嫌いな訳じゃないからね。……あぁそれと、あたしの事も嫌わないでね」

「そんな、そんな。恐れ多いですよ。私の方こそ嫌わないで下さいね」

「嫌わない、嫌わない。……実は、あたしってさぁ、熱い奴って凄い好きだからさぁ。これからも、眞子とは仲良くやって行きたいんだけど」

「勿論ですよ。そんなの、願ってもない話ですよ。コチラこそ、こんな融通の利かない馬鹿で良かったら、是非、これからも仲良くして下さいね」

「当然」


あぁ……凄いね、凄いね、私って、リアル大物喰いだね。

こんな事になるなんて、ホント、自分でもビックリですよ。


だからその分、こうやって出来た縁は大切にしないとね。

こんなに熱く感じてくれてる人を、さっきは『所詮他人』だとか思ってしまって、本当にすみませんでした。


眞子は反省です。



「眞子……」

「あぁ、はい!!なっ、なっ、なんですか?ひょっとして、凄く怒ってますか?」

「怒るなんて、とんでもないですよ。私の方こそ、なにも考えず軽口を叩いて、ごめんなさいね」

「あぁそんな、そんな。勿体無いお言葉ですよ。ステラさんも、本当に謝らなくても良いんですよ。私が1人で勝手に怒ってただけですから」

「いえ、その怒りの引き金を弾いたのは私。ミラーさんの話にさえ乗らなければ、なにも問題はなかった筈ですからね。……流石に、自分の彼氏を此処まで貶されて、黙っている彼女は居ません。ですから此処は反省すべき点です。……眞子の行為は、謝罪に値しない正当な行為だったと思いますしね」

「あぁ、いえ。だとしても私が言い過ぎだったのは否めません。幾ら、自分の彼氏の悪口を言われたからと言っても、言って良い事と、悪い事があります。私の言動は限度を越えていたものだったと思いますし。本当に、すみませんでした」

「では、此処はオアイコと言う事で良いですか?」

「ステラさんこそ、それで良いんですか?私は、そうして貰えれば、本当に嬉しいですけど。……許して貰えますか?」

「はい、じゃあ、オアイコで」

「あっ……ありがとうございます」


あの……さっき心の中で、ステラさんの事を『馬鹿』だとか思って、ごめんなさい。


ステラさんは、全然馬鹿じゃないです。

反省が早いし、状況を理解するのも早い。

なのでヤッパリ私は、ステラさんとは、前みたいな関係に成りたいです。


コロコロ調子の良い事ばっかり思って、ごめんなさい。


でも、本音なんですよ。



「あの、眞子ちゃん。3Bのみんなもオアイコにして貰えない……かな?」

「ゴメンね、眞子ちゃん。厚かましいけど、出来れば、そうして欲しいんだけど……」

「ごめんなさいなの」

「「「「「ごめんね」」」」」

「あの、だからね。本当に謝らなくて良いんだよ。こんなの私が全面的に悪いだけなんだから、そんな風に謝られても困るし」


なんか、あれですかね?

此処まで謝罪が感染して、女子全員が素直な気持ちになれるって事は……案外、みんな熱いのには飢えてるのかなぁ?


それともなにかい?

私を敵に廻す事のリスク計算かい?


……な訳ないか。



「私は……ダメだよね。自分の立場もわかってない人間だもんね」

「そんな事ないって!!崇秀の事を、そうやって少しでも解って貰えたなら、ホント嬉しいって。だから、伊藤さんもオアイコにしよ。もぉヤメよ、こう言うの」

「良いの?」

「良いも、悪いも、そんなのなにも無いし。それにみんなで仲良くした方が楽しいしね。ツマラナイ諍いで喧嘩は懲り懲りだよ」

「ありがとう」

「いやいや、そんなそんな」


実はですね。

こんな事を言って私なんですがね。

伊藤さんの件に関しての本音を言えば、まだちょっと伊藤さんだけは許してなかったりするんですよね。


……でも、もぉOKOK。

こんな事位で、いつまでも蟠りを持ってたって、なにも良い事なんてないしね。


だからもぉ、さっきの事なんて忘れた、忘れた。



……っでまぁ、この後。

真琴ちゃんを除いた男性陣が、少し恥ずかしそうに各々謝罪して来てくれたので。

私は、自分が悪い事を、ちゃんと主張した上で全員『オアイコ』にして貰いました。


これで万事、事無きを得れた訳ですね。



それにしても皆さん、意外と熱いんですね。


ちょっと暑苦しい感じですよ。


・・・・・・


あれ?

でも、こうなった原因って……ひょっとして、何気に使っていた『真上さんモード』のせいじゃないの?


私……結構な勢いで、この習性染み付いてきてない?


……そんな無意識な自分が怖ッ!!


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>


まぁ例え眞子の暴言が過ぎたとしても、その暴言を吐く切欠を作ったのは眞子ではないので、所謂、眞子は被害者なんですよ。

……っで、その被害者である眞子に、自身の至らなかった点を反省しながら謝罪までされたのでは、これはもぉ相手側も認めるしかないですよね。


こう言う駆け引きって、和解の際には結構大事ですので、もし、誰かと喧嘩した際、自分に余裕があったら試してみて下さい。

意外と相手側が馬鹿じゃない限り、有効な手立てだと思いますよぉ(笑)


さてさて、そんな謝罪合戦が終わった所で、この後どうするのかも重要。

次回は、誰が、どう動くのか?


その辺を気にして頂けましたら、また是非、遊びに来て下さいねぇ~~~♪

(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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