眠りの戸口
眠らない夜というのを
もう随分と過ごしてきた
眠れないというよりも
眠りたくないという
頑なな反抗心のような
そのくせ
深く安らかな眠りというものに
ずっと焦がれつづけて
感情を波立たせないように
剥き出しの神経は
薄い膜で覆って奥底に隠して
わたしは夜を漂う
わたしから離脱したわたしが
両目に白い手で目隠しをして
眠りの戸口へと導いてくれるまで
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