眠りの戸口

眠らない夜というのを

もう随分と過ごしてきた

眠れないというよりも

眠りたくないという

頑なな反抗心のような


そのくせ

深く安らかな眠りというものに

ずっと焦がれつづけて


感情を波立たせないように

剥き出しの神経は

薄い膜で覆って奥底に隠して

わたしは夜を漂う


わたしから離脱したわたしが

両目に白い手で目隠しをして

眠りの戸口へと導いてくれるまで

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る