暴君幼女は愛されたい! テキトーにLUK≪幸運≫に全振りしたら、ステータス壊れちゃいました~女神様からもらったチートスキル『構造把握』『創作』を使って、玉の輿でハーレムな無双ライフ……スローライフを♪
第28話 アリシア、パーティーメンバーに立候補する
第28話 アリシア、パーティーメンバーに立候補する
「救難要請があったのはこの辺りになります」
エブリンさんが指さしたのは、王都とガーランドのちょうど中間あたり、街道から大きく外れた場所、ミレンテ山脈という書かれた場所だった。
「こんなところから? 誤検知ではないですか? ソフィーさんたちが事前に予定していたルートから大きく外れていますね」
基本的に街道から大きく逸れないルートでの旅を予定していたはず。なぜこんなに離れた雪山に? 偶然、道を逸れたってレベルじゃない。馬車を使っても街道から3日はかかりそうな距離だもの。
「救難要請はミレンテ山脈の麓で待機していた御者からのものです。下山予定日を1日過ぎても一行が戻ってこなかったということなので、場所については確かな情報です」
「なるほど。麓に馬車を待機させていたのね。では雪山に向かったのは事実、と。なぜ雪山に向かったのか理由は聞いていますか?」
それはやっぱり知りたい。
「御者の話によると、ミレンテ山脈の頂上付近に雪女族の目撃情報があったということで、それを確かめに行かれたとのことでした」
ああ、そういうことなのね。納得。
「エデンっすね」
「そのようね。納得がいったわ」
雪女族の目撃情報かあ。ソフィーさんだったら予定を変更してでも一緒についていくでしょうね。
「実は同行メンバーの中に、その、雪女族と縁がある者がおりまして……」
「そう、なんですね。ミレンテ山脈はなぜか頂上付近だけは、この時期でも吹雪に閉ざされていてます。何度か雪女族の目撃情報がギルドのほうにも届いています」
雪女族の話をしても、エブリンさんはさして驚いた様子でもなかった。わりと伝説的な種族だと思っていたけれど違うのかな。
「もしかして、雪女族ってギルドの討伐対象だったりします? ギルドにそういう依頼があったりとか?」
わざわざギルドに情報が寄せられるってことはそういうことなのかな……。
「いえ、そのようなことはありません。ギルドには依頼とは無関係に様々な情報が寄せられます。雪女族のような希少種の情報も入ってくることがあるというだけです」
「ギルドってそういう役割なんですね。もしかして所属しているとわりと良いことがあったり?」
「討伐依頼だけではなく、捜索、救援、いろいろな依頼がやってきます。また、他の街のギルドとも情報交換をしておりますので、直接依頼に関係のない情報も多数集まってくることになります」
なかなか便利かもしれないね。
ふーむ、ギルド所属かあ。
「ですが冒険者ランクによって開示される情報に差があります。所属すればどんな情報でも手に入るというわけではありません」
そっかー。でもAランク冒険者なら、少なくとも雪女族の情報は手に入るのね。
「それでは話を戻しまして、救援要請についてですが、先ほども申しました通り、ミレンテ山脈の頂上付近は吹雪によって閉ざされております。一帯に生息する魔物のレベルも高いため、Bランク冒険者を含む5人以上のパーティーでないと入山すら許可されない場所です」
Bランク冒険者がどれくらいの強さなのかちゃんとわかっていないけれど、誰でも行ける場所ではないことはわかりました。
「つまりどうしたらいいのでしょうか?」
「正式に救援依頼を出していただいて、ギルドのほうで候補となる冒険者パーティーを斡旋する形ですね」
「エブリンさんが依頼を受けてくれたりはしないのですか?」
「わたくしですか? あいにく今はパーティーメンバーが1人療養中でして、わたくしを含めて4人しかおらず、今回は申し訳ございません……」
入山するには5人いないとダメだったね。
なるほど。それならば。
「じゃあわたしが臨時で入ります。それで5人になりますよね?」
我ながら良いアイディア!
「ちょ、暴君⁉」
「アリシアちゃん、それは……」
「えっと、お客様が……?」
「アリシア=グリーンです。わたし、こう見えてもなかなか強いんですよ!」
力こぶを作ってみせる。
どの程度かって言うと、この建物ならたぶん60%程度の力で倒壊させるくらいのことはね? まあ、建物の構造を把握してるからっていうのもあるんですけども。
「救援要請の依頼者であっても、ギルド未所属の方をパーティーに加えるのは……」
「じゃあわたし、ギルド所属しちゃいます!」
「暴君⁉」
エリオット、さっきからうるさい。ほら、あっちの隅っこにいるネーブルみたいに静かにしてて?
「なんか水晶玉か何かで魔力量を計って、ランクを決めるとかでしょ?」
わたし、知ってますよー。
前世の知識がありますからね!
「ええ。そうですね。魔力計測装置を使用し、その魔力量で暫定ランクを決定します。その後の依頼実績に応じて正式な冒険者ランクが決定いたします……が……」
「が? じゃあ、早く救援に向かいたいし、いますぐ魔力量を計っちゃってくださいよ」
事務手続きだけならさっさと済ませましょう!
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