修行の終わり
「ゾリデさん!残り2日しかないですが今日もよろしくお願いします!」
ここでの生活は本当に有意義であった。
修行の集大成を見せるように、全力で挑むように言われ両手首に爪で自傷する。前は自傷行為に抵抗があったが今となっては何も感じない。すぐに治るしね。
切りかかる、【継戦】の血族能力で作成した武器は血力そのものを吸うためゾリデさんがいくら血力で身を固めてても吸取り脆くできる。
「マナト殿の血族能力はなかなか面倒だからな。こちらもある程度は力を出していくぞ?」
""存在証明"" 「金剛の祈願」
ゾリデさんの個人能力!初めて見る!
能力が不明であるため後ろに下がり、不用意に攻撃はせず見守る…
……………
………
「……………?強化能力…か?」
タメが必要な能力の可能性もある。様子見として切りかかる
ギィン!と金属同士がぶつかる音が響く!
「くっそ!これじゃ初日と変わんねぇじゃねぇか!!」
せっかく強くなってゾリデさんに傷が出来るようになったのに!
「はははは!まだ負けんよ!それに私はもともと防御の方が得意でな!」
「まだ全部見せてませんよ!今日はとことん付き合ってもらいますよ!」
─────────────
「マーナート君!久しぶりー!!」
「マナト殿、そんなものか!?まだ隠しているだろう!!」
「ゾリデさんマジで硬すぎない!?これも駄目!?」
「いやいや、他の吸血鬼であればひとたまりもなかろうよ!これからも励んでゆけ!」
「…………スンちゃん、もしかして……」
「……はい、今日は一日ずっとこの調子です……」
「なーんで男の人ってこうなんだろうね…?」
「……もしよろしければお茶にしませんか?焼き菓子もありますよ。恐らくここから数時間は終わりませんし…」
───────────
「はぁ…はぁ………、結局、皮膚を切れたのすら1個かぁ……はぁ……」
「マナト殿、はぁ……もうそこらの吸血鬼には…負けない実力だ……はぁ……私の体に傷がつけれるだけでも立派なものだ!!」
「ゾリデさん………!ありがとうございました!!」
短い間ではあった。が、濃厚な時間でもあったのだ。
何故か涙が出てきそうになる、全霊のお辞儀で顔が見えないようにする。
パサ、と首にタオルがかかる。
?スンかと思ったがいつもは手渡しだ。
「お疲れ様。強くなったね。」
エアクラさんが頭をワシワシと撫でてくる。汗でベトベトだから!と逃げた。
「ゾリデ君、本当にありがとう。1回は間違ったかと思ったけどやっぱり君で正解だったよ!
今度1つだけ君の手駒となって動いてあげてもいいよ?ただ、君の意志の場合だけどね?」
「エアクラ殿、その説は失礼した。
光栄だ。だがその栄誉は私の身には余る。エアクラ殿を使うなどと身の丈に合わないことをすれば破滅するだろう。
……それに、真の努力者はマナト殿だ。栄誉はマナト殿に譲ろう」
「じゃあそんな頑張ったマナト君にはプレゼントがあります!」
エアクラさんの後ろにチラチラと見えていた黒い布に覆われ赤い紐で括られた長物を手渡される、紐を解き開けるとそこには黒を基調とした青い大鎌が出てきた。
「じゃじゃーん!こちら大鎌「トゥド・センザ」になりまーす!今はます持ち運びやすいように刃の所から折って収納してあるけど振るとちゃんと刃が出てくるよ!」
みんなから少し離れ思いっきり降る。
大きさに合わず風切り音しかしない、ちゃんと練習すれば無音で振ることも可能だろう。
刃を触る、何かの結晶のようであるが硬度が尋常ではなさそうだ。先端を触ると何の抵抗もなく刃が指の腹に刺さる。
ジュル、と血が鎌に吸われ青い結晶部分がほんのり淡く光る
鎌の刃から柄の日々に見える部分まで全体が淡く光ったのだ。
「よかった。マナト君は無事に使えそうだね。」
「……エアクラ殿、確信があったのではないのか……?」
「あったよ、でも武器が認めてくれるかは別なの。あれは神聖礼装がベースだからね。こうなったらもう私でもあれは使いこなす事は出来ないのよ」
「………なんにせよ鬼に金棒とはこの事よ。マナト殿の攻撃力不足が解消されてしまった今、武器ありでは私も戦いたくないな」
謙遜、というより戦えば勝てるが無傷とはいかないからやりたくないといった言い方だろう。俺も勝てるとは思えない。
「あ、マナト君。トゥドセンザは使うとき以外は布を巻いておいてね。
他の弱い吸血鬼が触ったら最悪死んじゃうから。」
チート武器だ。
「マナト殿、明日は最終日。試練を課すので今日はもう休むように」
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