忘れられていた男(六)
晩春[六月]二日昼、馬ぞろえが挙行された。
エルバセータの大通りに設置された物見台に、カラウディウ・エギラを横に
その中には、もちろん、チノー・アエルツの回し者も多くいた。本来ならば、身元や武器の所持の確認を厳重にする必要があったが、その担当者がレヌ・スロだったので、入りたい放題、持ち込み放題になってしまっていた。
エギラが老人の右側に坐ったのに対して、左側にはじいさん[オヴァルテン・マウロ]が着座した。じいさんは、オルコルカンを離れるつもりはなかったのだが、老人が強く
老人の
いちばん誉れある先頭は鉄仮面となったが、彼女は自分の順番はどこでもよかった。それよりも、次に名誉あるしんがりをズヤイリどのに飾らせるのにはこだわった。老人の検分する馬ぞろえに、東部州の兵が参列するというのは、以前戦った両者の和解を七州[デウアルト国]に示すうえで、とてもよいことであった。
オドリアーナ率いる
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