宝刀(五)
ウストレリとのいくさを通じて、ゾオジ[・ゴレアーナ]どのは歴戦のいくさびとらしいところを見せ、オドゥアルデ[・バアニ]どのも、父親とはちがって面白みはないが、堅実な用兵家に育った。また、遠西州のレヌ・スロも
加えて、司令官を務める鉄仮面も、じいさん[オヴァルテン・マウロ]の補佐を受けて、いくさというものが何となくわかってきた。
また、
上であげた者たちの活躍もあり、七州[デウアルト国]はイルコアの南管区だけでなく、東管区も徐々に勢力下へ置くことに成功しつつあった。
しかし、それでも、ヴェルヴェルヴァとダウロン三兄弟という、二つの鎌首を持つ蛇を
熟練した軍という、金蛇軍の攻撃に耐える盾は手に入れたが、鉄仮面には、いまだ、蛇の首を刈る刀がなかった。
そのような状況下の新暦九三一年晩冬[三月]、鉄仮面はふたたび、北の老人[ハエルヌン・スラザーラ]の呼び出しを受けた。
行きたくはなかったが、鉄仮面が湯水のごとく使っていた、金の出どころが彼だったので、断るわけにはいかなかった。また、鉄仮面にも老人に会わねばならない用件、緊急で追加の金と兵の補充が必要、だったので、老人に会うことにした。
後のことをじいさんに任せて、鉄仮面は[近北州の]スグレサへ向かった。
※1 赤陽隊
オウジェーニエ・スラザーラに命を救われ、その
ウザベリ・スラザーラの許可を得て、スラザーラ家の家紋である太陽を隊旗とし、赤色で兵装を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます