譙縱2  朱齢石迫る

毛璩もうきょらを滅ぼすと、譙縱しょうじゅうは從弟の譙洪しょうこう益州刺史えきしゅうししとし、譙明子しょうめいし鎮東將軍ちんとうしょうぐん巴州刺史はしゅうししとし、五千人を率いて白帝はくていに駐屯させた。自身は成都王せいとおうを名乗った。


406 年、後秦こうしん姚興ようこうに使いし称藩を願い出、長江を下り劉裕りゅうゆうを討ち名を上げたい、と申し出、姚興より援軍を引き出そうとした。また桓謙かんけんをその援助として発してほしいとも乞うた。姚興は桓謙に援軍を預け、蜀に向かわせた。


413 年、劉裕は西陽太守せいようたいしゅ朱齢石しゅれいせき益州刺史えきしゅうししとし、甯朔將軍ねいさくしょうぐん臧熹ぞうき下邳太守かひたいしゅ劉鐘りゅうしょう蘭陵太守らんりょうたいしゅ蒯恩かいおんらと共に二万の兵力でもって江陵こうりょうより出立、譙縱討伐に向かった。


はじめ譙縱討伐の軍容が明らかになったとき、だれもが任務の達成は難しいと思っていた。朱齢石がこのとき実績も名声もなかったためである。劉裕はそうした人々の意見を退け抜擢、江陵に引き連れていた自軍の半数を朱齢石に与えた。臧熹は劉裕の妻の臧愛親ぞうあいしんの弟にして、地位も朱齢石に並ぶほどであったにもかかわらず、その隷下につけられた。朱齢石が白帝はくていに進むと、譙縱は譙道福しょうどうふくを発し重装兵にてを守らせた。




毛璩既死,縱以從弟洪為益州刺史,明子為鎮東將軍、巴州刺史,率其眾五千人屯白帝,自稱成都王。明年,遣使稱籓于姚興,將順流東寇,以討車騎將軍劉裕為名,乞師于姚興,且請桓謙為助,興遣之。

九年,劉裕以西陽太守硃齡石為益州刺史,甯朔將軍臧喜、下邳太守劉鐘,蘭陵太守蒯恩等率眾二萬,自江陵討縱。初謀元率,僉難其人,齡石資名素淺,裕違眾拔之,授以麾下之半。藏喜,裕妻弟也,位出其右,又隸焉。齡石次於白帝,縱遣譙道福重兵守涪。


(晋書100-13)




ンッンー。譙縱伝ひどいね♪ なんだこれ、盛大に晋書宋書で補填しなきゃ何もわからんですよ。


まずは晋書毛璩伝。あーん璩サマが死んだー!

https://kakuyomu.jp/works/16817139559045607356/episodes/16817330659356976672

次が宋書毛修之伝。なんでやねん。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892475384

ここにしか毛璩死亡後の初動が載ってないとか何の地獄ですか。なおぐだぐだに成り果てて失敗したもよう。

そして宋書劉敬宣伝。飛びすぎです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892070940

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892088132

劉裕が立てた戦略の失敗ってここだけじゃないかなあ。本当はもうちょいあったんだとは思うんですが、史書上ではここしか確認できません。なかなかレアなお話です。

そのあとが宋書朱齢石伝。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892307933

五斗米道のお片付けぶりに劉裕が手腕を見出した、と言うことなのでしょうね。伐蜀については結構稿を割いて紹介してくれています。と言うのも劉裕が軍務でほぼ完全に下駄を預けきった(まぁ戦略指示とか劉鍾と言う,おそらく劉裕が最も信頼していたであろう監軍をつけた上でですが)戦ってここだけなので、こちらもなかなかにレアケース。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891500185/episodes/1177354054892356355


こうやってフォローしないといまいち意味を見出しづらいのはなかなかに、こう。まあこの辺は、「もう既に出ている宋書にてフォローされているし屋下屋を架けても仕方ない」だったのかも知れませんね。

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