第15話
気絶しているエルバサを放置する事20分。遂に角煮が完成した!
「さて、圧力鍋の蓋をとって・・・・おぉ!匂いは完璧に角煮の匂いだな。」
早速、皿・・・・無かったな。こんな時でも、下の戸を覗けばあら不思議白い皿が・・・・本当にあったよ・・・・。それじゃ、皿に角煮を盛って、汁を少しかけたら完成!
「早速鑑定してみよう。」
『超越されたオークの角煮』⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
寸分の狂いもなく完璧な黄金比によって出来上がったオークの角煮。食べた者の空腹を潤し、至上の高みまで連れていかれる。あぁ・・・・クワセロ!
HPが1時間+15%上昇する
VITが1時間+10%上昇する
うーん・・・・角煮あんまり作らないから黄金比とかって言われると・・・・怪しいな。しかも、今回は葱買い忘れたから1番上のレアリティまで行かなかったのが課題だな。しかし、気になるのはそこではない。最後、この前の焼きおにぎりの時より自我無くなってないか?怖いんだが?
そんな恐怖に囚われているとエルバサが気絶から復帰した。
「ぬぅ・・・・そうじゃ!角煮とやらはどうなった!」
「今丁度出来上がったよ。」
「本当か!では早速いただこうとするかの。」
今食わせたらまた気絶するよな?どうしよう・・・・素直に言うと気絶されるとクソ面倒だから気絶しないように自分になんか魔法でもかけて欲しいんだが。
「・・・・なぁエルバサ。お前今食うと確実に気絶するよな。」
「ぬ?そ、そんな事はないぞ?」
「いやお前、今の所俺の料理全部で気絶してるからな。」
「仕方ないであろう。美味いのじゃから。」
「はぁ・・・・なんか気絶を防ぐ魔法でもないのか?」
「一応あるにあるが・・・・それをかければ食わしてもらえるのか?」
「ああ、いいぞ。」
「ならば・・・・!」
エルバサがそう言うと何かを唱え始め、ピカっと光り、数秒が経つと光は収まり、そこにはいつも通りのエルバサがいた。
「うむ、これで気絶はしないであろう。それでは、いただくぞ!」
皿に盛った角煮を全部口に頬張ると最初は普通に噛んでいたが、直ぐに瞳孔がクワッと開き、そのまま気絶した。
「気絶しないんじゃなかったのかよ!」
何これ?コント?
と思っていたのも束の間、今回は直ぐに起き上がった。
「うま─────いのじゃ!!!!」
いつも通り五月蝿い・・・・
「なぁエルバサ、気絶しない魔法使っても気絶してたように見えたけど・・・・。」
「うむ、確かに気絶した。自らにかけた魔法が貫通されたのじゃ。いやはや、最大の魔法を使っても貫通されるとは・・・・不思議なものじゃな。」
不思議なものじゃなだけで済ませららないだろ・・・・この先ずっとこんな感じが続くのか?でも、魔法使った方が気絶時間は短いからこれからも使ってもらった方がいいよな。
「とりあえず、魔法使ってもらった方が気絶時間は短いと思うからこれからも使ってくれよ。」
「あい分かったのじゃ!」
それなら良かった・・・・ちょ待て、俺オークの角煮食ってないじゃん・・・・とりあえず圧力鍋から一切れ取り出して・・・・いただきます。
・・・・・・・・柔らかい、それに以外と味が滲み出るんだよな。でもなぁ・・・・やっぱりオーク肉の臭さはちょっと残ってる感じがする・・・・。やっぱり葱入れれば良かったな。
そんな感じでもぐもぐ食べているとやっぱりエルバサの視線を感じてしまう。
「なんだエルバサ。さっき食べたでしょ?」
「いやそうではなく・・・・主人よ、なぜ主人はこれらの至高の料理を食べても気絶しないのじゃ?」
「なんでって言われても・・・・。」
分かんねえ。
「多分、慣れなんじゃないのかな。」
「慣れ・・・・か。それじゃあ!沢山儂に食べさ「ダメです」ぬぅ・・・・。」
料理も食べ終わり、後片付けも済ますと少し時間が残ったが、わりかし丁度いい時間に終わる事が出来た。
「なあエルバサ。次どうする?」
「そうじゃのう・・・・腹が膨れたと来たらやっぱり・・・・戦闘じゃな。」
「戦闘ね・・・・ここら辺の魔物はエルバサにとっちゃ爪一本で勝てるような相手しかいないぞ。」
するとエルバサは何やら考える仕草をしたまま動かなくなったので、数分待ってみると・・・・
「だったら西の山脈に行ってみるかの?」
「西の山脈?」
「そうじゃ、ここから西に人の足じゃと1日ぐらいの所に山脈というより山があるのじゃ。そこなら魔物は強いだろうし、これからさらに暗くなるじゃろう。そうなれば魔物の強さも最大1ランクは上がるのじゃ。」
狩場としては十分な場所であると思うぞ!と自信満々に言うエルバサだが・・・・
「俺戦えなくないか?」
「ぬ?どう言う事じゃ?」
「単純にレベルが離れすぎてこっちが瞬殺されそうな気がするんだけど・・・・。」
「その事か。なら安心するが良い。お主は女神の加護をも超えたナニカがある。無闇にお主に危害を加えようとする奴がいれば即刻天罰じゃろうな。」
「それなら安心か?」
「いざとなったら儂が守ってやるから安心せい。」
「分かった、そこまで言うなら行こうか。」
料理に使った色々を綺麗に片付け、部屋を出て鍵を閉め、受付に帰して外に出た。
外に出ると辺りはもう真っ暗だったが、上を見ると都会では絶対見る事が出来ない、星空が見る事が出来た。その星空の灯りを頼りにして、街の外まで歩いて行った。
「よし、人の街を出たようだな。それじゃ、儂の背中に乗ってくれ。その方が歩くより速いからの。」
「分かった。」
そう言ってエルバサの背中に乗り込むと直ぐに飛び立ち、西の山脈を目指して飛び続けた。
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