第13話
外に出ると辺りは薄暗くなり始めていた。
「もうすぐ18:30だからか。ちょっと急いで調理場に行かないとな。」
『やっと飯が食えるのかのう?』
『まあ、料理を作る時間はあるけど飯の時間には違いないな。』
「それじゃお主!早く行くのじゃ!」
「バカお前!念話切れてるんじゃねぇか!」
『ぬぅ・・・・すまなかった。そんな事より早く飯を!』
『はいはい分かった。』
前に焼きおにぎりを作った施設に行き500カルで5時間借りる事にした。
「さて、ついた事だし早速料理始めるか。」
「なるはやで頼むぞ!主人よ!」
なるはやとか何処で覚えたんだよ・・・・
という事でエルバサに催促されたので早速ジャムを作っていきます。角煮は・・・・あ、葱買い忘れた。・・・・いけるよな?まぁ出来なかったらそん時はそん時だ。それじゃ、ジャムを作っていくか。
まずは鍋に水を少し入れる。そしてブドウを用意する。ブドウを一房・・・・いや少ないと言われると面倒だから四房分水洗いして鍋に入れる。砂糖は・・・・200g・・・・計りがねぇ!とりあえずフライ返しみたいにどっか探すか。
・・・・・・・・あ、普通にあった。というか平成初期に使われたやつやん。多分。今でも農家の人が野菜の量を量る時に使ってるイメージしかないな。
それじゃ計りと、その近くにあった皿に200gの砂糖を入れて、その砂糖を鍋に入れる。次はレモンを絞る・・・・とりあえず半分に切ってから、己の力で・・・・フンッ!!良し、果汁がしっかり絞れたら、鍋に入れる。皮はシャーベットに使う時が来るかも知れないから取っておく。
それでは鍋を火にかける。中火で火にかけ続けて焦げつかないように混ぜる。5分ぐらいしたら皮が溶け始める。そして7分ぐらいしたらアクが出てくるのでそれを取る。
・・・・よし、火を止める。あらかじめ買っておいたボウルを下にザルをその上に置いて、鍋の中身をザルに入れる。ゴムベラ・・・・何処かにあるかな?確かフライ返しの隣に・・・・あった。じゃ、これで潰していく。ザルに皮と種だけになったらボウルに入ったジャムの一歩手前みたいなやつをまた鍋に入れる。
中火でとろみが出るまで火にかける。・・・・そういえば瓶って煮沸消毒しないといけないんだっけ?鑑定で見てみるか。
『魔法瓶』⭐︎⭐︎⭐︎
綺麗にしなくてもクリーンと唱えるだけでピッカピカになる。
「ほう、クッソ便利やんけ。では早速、『クリーン』・・・・これで良いのか?」
見た感じピカピカになってるぽいな。・・・・おっと、ジャムにとろみが出て来たな。鍋を止めてこの魔法瓶に入れて・・・・よし完成!
「うーむ、中々上手く出来たんじゃないのか?」
「なんじゃ?もう完成したのか?」
「おう、これはジャムといってな、あれだ・・・・パンとかに塗るやつだな。」
「ほう、それでパンは何処に・・・・」
「ないぞ。」
「なぬ・・・・ないのか。」
えぇ・・・・そんな露骨に落ち込むか・・・・。とりあえず一回落ち込んでいるエルバサを放置して鑑定してどんな出来か確かめてみるか。
『超越された至高のブドウジャム』⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
完璧な黄金比で完成された至高のブドウジャム。一口食べるとこの世の物とは思えぬほど美味を味わうと共に昇天してしまう。
HPを1時間+15%上昇する
STRが1時間+25%上昇する
「え・・・・なんかまたレアリティ上がってないか?」
超越が最高じゃないのか?
困惑しているとお知らせに一件の通知が来た。確認してみるとどうやらステルスメンテがあったらしい。・・・・ステルスメンテってなんだ?メンテなのは分かるが・・・・まぁ気にしなくても良いか。で、気になる内容は・・・・成程、レアリティ、超越された至高の○○が追加されました。あ、さっきの追加されたやつなのかよ・・・・。
「・・・・・・・・とにかく一口食べてみるか。」
スプーンを取り出し、さっき作ったばっかのジャムを一口食べてみた。
「・・・・うん、普通にうまいな。」
ブドウの味がより濃く感じられ、甘さもブドウ本来の甘さと砂糖の甘さが良い感じに混ざっていてとても美味い。・・・・でも本当に超越された至高のブドウジャムなのかよ。てか名前長えな。
とりあえず、エルバサに一口食べさせるか。・・・・まだ落ち込んでんのかよ。
「なぁエルバサ、一口食べてみるか?」
「うむ、せっかくだしな。いただこう。」
エルバサはブドウジャムを一口食べると、・・・・静かに昇天していた。
「うおおおい!?エルバサ戻ってこい!」
「なんじゃこの感覚・・・・暖かい・・・・今なら何処にいでもいけそうじゃ・・・・」
「昇天しかけてる!?とりあえず、もう一回ジャム口の中に放り込めば治るだろ。」
ジャムを口に入れると昇天しかけていたエルバサが目を覚ました。
「ハッ!危なかったのじゃ。」
「気をつけろよ。」
「うむ。・・・・でもまだ腹減っているのじゃが・・・・。」
食いしん坊め。折角だし角煮作るか。葱がないから超越だけになるだろ。多分。
そうして、角煮を作るために圧力鍋を取り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます