第10話
「ここは?」
町につくと、大きな建物の前に来た。 武具をまとったり、ローブをきた怪しい人物が行き来している。
「ギルドよ。 冒険者たちのね」
「確かお金を払って仕事を受けるひとたちですよね」
クリュエが思い出したようにいった。
「前いってた、なんでも屋か...... いやそんな傭兵みたいなやつ、余計信用できないだろ。 いくらなんでもアンナは人良すぎだぞ。 俺とか簡単に信用するし」
「自分でいうのね...... 確かにそうね。 もちろんみんなが信頼できるわけじゃないけど、命をかける間柄なら信頼はできるでしょ」
「仲間になるってことか?」
「ええ、彼らとパーティーを組んで行動すれば、自ずと信頼できる人物に出会えるわ」
「なるほど...... 確かに命を共にかけるなら、信頼できるかもな。 金やアイテムも手に入り
「だ、大丈夫です! 私も仲間ですから!」
両手を握りクリュエはそういった。
「そうよ。 クリュエは魔法があるでしよ。 私より安全よ」
「そうだな。 まあ最悪、俺がまもればいいか...... とりあえずいってみるか」
中にはいると大勢の怪しげな男女がいる。 木製のカウンターに近づくと座っていた受付らしい若い男が話しかけてくる。
「今日は何のご用ですか?」
「冒険者になりたいんだけど、誰でなれるのか」
「ええ、危険を認識していただければ。 本来試験などをするのですが、今人手不足で...... 良ければ登録しますので、こちらの契約書をよくお読みになって、ご記入ください」
俺たち三人は契約書を書いて登録を済ませた。
「では、あちらの掲示板より依頼書の方をこちらにお持ちください」
そういって受付の男はいった。
俺たちは掲示板にいき依頼をみる。 モンスターの討伐、護衛や運搬、素材の採取、さまざまな依頼があった。
「それで、どうやって仲間を見つける」
「報酬の高いものは複数の人数で受けるしかないわ。 だから...... これなんかどう?」
「かなり高額だな...... 正直俺たちはモンスターとの戦闘経験は少ない。 やれるかな......」
そういろいろ思案していた。
「少しよろしいですか......」
その時、後ろから声をかけられた。 その少女は金の長い髪を後ろに縛っている少女で、騎士のような甲冑をきている。
「その依頼を受けるおつもりなのですか?」
丁寧な物腰でその少女は尋ねてきた。
「ああ、そうしようかと思っているんだけど」
「ならば私も同行させてもらえませんか......」
少女はセーヌ、冒険者になりたてだという。 一人での任務は不安なので共にきたいという。
「その鎧、アンカレス王国の......」
「ええ......」
アンナとセーヌはそういうやり取りをしている。
「......アンカレス王国は一年まえにモンスターによって滅んだんです」
そうクリュエがそっと教えてくれた。
(なるほど亡国の騎士か...... そういえば最近モンスターの襲撃が増えているといっていたな。 さっき受付が言っていた人手不足もそのせいか)
「私はいいけど、どうする二人とも」
「ああ、俺もかまわない」
「はいもちろん!」
「ありがとう。 よろしくたのみます」
俺たちは他に希望者がいないようなので、とりあえずセーヌと共に依頼に向かうことにした。
「セーヌは魔法は使えないのか」
「ええ、剣だけです。 あなた方は使えるのですか?」
「私もよ。 クリュエに教わってるけど使えないの」
セーヌが答えると、アンナはそうこたえる。
「でも、魔力は感じるんです。 なのに魔法が発動しないから......」
クリュエは首をかしげる。
「確か魔力値を調べる魔法があったな。 かなり
「えーと、マジックメジャーメントですね。 本当にレアな魔法です」
そうクリュエがいった。
「よし、俺が覚えよう。 いちいち物の魔力を
「覚える? あなたたちは魔法のスクロールをもっていないようだが......」
「まあ、みててくれ」
俺は
「なっ!? 空中からスクロールが現れた! 魔法ですか!?」
セーヌは驚いて目を見開いている。
「まあ、そんなとこだ」
俺は魔法を覚えた。 頭の中に光る文字が羅列される。
(なるほど、こんな風に文字が頭に浮かぶんだな)
ーー源泉となる力の値をここに示せーー
「マジックメジャーメント」
みんなの姿をみる。 上に数字がでる。
「えーと、セーヌが1000、クリュエが10000!、そしてアンナが...... 2万!?」
「私の二倍! すごいです!」
「でも、魔法が使えないのよ?」
「多分、一度で放出できる量が少ないのかも......」
クリュエがそうつぶやく。
「そういえば昔、知り合いの魔法使いが、魔力があっても出せる量が少ない者もいるって言っていましたね」
セーヌが思い出したようにいった。
「そうなのか」
「なんとかならないかしら......」
アンナはそういい、少し寂しそうにも見えた。
「まあ、仲間も増えた。 まずは依頼をこなそう」
(セーヌが俺たちの本当の仲間にできるか見たいしな。 あっ、地味に俺も魔力15000あるな)
俺たちは依頼にある洞窟へと向かった。
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