第118話 【12月27日】

 今日3ヶ月振りにスナック菓子を食べた。昼にコンビニに行ったらふとポテトチップスの棚が目に入った。もともと大好きな食べ物ではなかったが、よく見ると今は実にいろんな種類の味が揃っている(ほとんど元のポテトの味は関係ないくらいに)。   

 手に取ってみた。一瞬気持ちが逆立ったがあえて無視した。食べるのも依存なら食べないでいるのも依存。だったら敢えて食べてみる。ボクは普通なら絶対に自分が選ばないであろう『コンソメマヨネーズ味』をかごに入れた。

 家に帰って袋を開けると最初何とも奇妙な風味が鼻に漂った。不味そうというわけではない。多分ボクの鼻が全くこの手の風味に不慣れになっているのだ。一口頬張ってみた。イケる。マヨネーズという言葉がボクには単に油っぽいイメージだったが、流石に商い品、工夫を凝らした味付けと云えるだろう。

 気がつくとボクは音を立ててひたすらそのスナック菓子を頬張っていた。ボクはこの3ヶ月間この種の味を全く無視した生活を送ってきたのだ。どうでもいいことかも知れないが、ボクにはまだ他にもっともっとこのようなことがたくさんあるのかも知れない。忘れた味、風味、匂い、思い…。

 明日起きがけの洗顔が少し不安になった。

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