最愛の彼女を通り魔から庇って死んで、目が覚めたら何故か彼女が通う高校の先生になっていた件

@fubki-san

本編 1~

第1話 これって転生ってやつ...?

「迎えに行くか...ふぁ〜ねっむい...」


朝、まだ眠たい体を無理やり起こして、俺は階段を下ってリビングへと行く。


そして朝食を食べて、昨日準備しておいたカバンを持って、ある人の家へと向かう。


それが俺、北条祐希ほうじょうゆうきのルーティンであった。


そして家の前に着いて、チャイムを押すと、1分も経たずに彼女は出てきた。


白石佳奈しらいしかな、俺の彼女である。


「おはよう!ゆーくん!」


「おう、おはよう、佳奈。」


屈託のない笑顔を俺の前で見せる彼女は、時々俺の彼女なのかを疑ってしまうほどの美貌である。


そして勉強も得意で、全国学力調査で中学3年生から高校1年生までの2年間で全体一位を取るという偉業を成し遂げている。


片や俺は平凡という言葉が一番似合う位で、成績は中の中、テストでも何とも言えない点数だが、運動だけは意外と自信がある方である。


運動くらいしか佳奈に誇る点がない。悲しい限りだ。


だからこそ、高校1年生の時に佳奈を手紙で校舎裏に呼び出して告白して、OKを貰った時は、あえて目の前では大きなリアクションはしなかったが、家に帰ったら風呂にも入らずに布団にダイブして、飛び跳ねるくらい喜んだものである。

ちなみにしっかり母さんに怒られた。


そう思っているところで、佳奈に呼ばれた。


「ゆーくん?ゆーくーん!生きてるー?」

そう言いながら俺の目の前で手をヒラヒラさせている。


「ん?どうした佳奈?俺は生きてるぞ?」


「なら良いけど、ずっと立ったまま何か考えてたけど何考えてたの?」


「ん?ちょっと佳奈の事を考えてただけだよ」


「私の事?」


「そ、佳奈に告白した時の事とかをね。」


「こ、こここ告白した時!?」


「うん、告白した時。」


「あ、あの時の事は、恥ずかしいよ...!」


佳奈が赤面して顔を手で覆ってる姿はやっぱり世界一可愛いと思う。


「は、早く学校行こ!遅れちゃうよ!」


「そうだな...そろそろ行かないと遅れそうだな...」


「ほらほら!ゆーくん!早く行くよ!」


そう言われて手を引かれながら登校することとなった。

そして学校前の交差点に差し掛かった時に、横から甲高い悲鳴が聞こえた。


「な、何あれ!?」


「ん?どうした?佳奈?」


「あ、あそこ見て!ひ、人刺してる!」


そして佳奈が指を指した先に広がっていたのは知らない人がナイフを持って、無差別に人を刺しまくっている、本当に日本なのかと思ってしまう程の光景が広がっていた...


「ゆ、ゆーくん!早く逃げないと!」


「そ、そうだな...!とりあえず逃げるしか無いか...!」


そう言い背を向けた瞬間、ナイフを持った男がこちらへ全力疾走してきてるのが見え、標的が佳奈に変わったことがわかった瞬間、俺の頭の中は佳奈を守る事で埋め尽くされていた為、勝手に佳奈の元へと足が向かって、気づいたら走り出していた。


「佳奈!!」


そして刺される直前の佳奈の前に立ったことで、体にナイフが深々と刺さった。


「え...?ゆー...くん?」


俺を刺した犯人は、俺を刺した直後に大人8人位に取り押さえられ、俺の体に刺さっていたナイフは抜けて、刺された体からは血の滝が流れ出してきて、体の感覚が無くなるのも時間の問題だった。


「ゆーくん!!!」


そして俺が刺されたことに気づいた佳奈が俺の元へと駆け寄ってきて、俺を抱き抱える。


「な、なんで!何でゆーくんが刺されて...!」


そう言う佳奈の目からは涙が流れ出して、俺の体にポタポタと垂れてくる。


「おい...泣くなよ...佳奈...佳奈に泣かれると、こっちも泣きたくなるって...」


「だ、だってぇ...」


そんな事を言いながらも、依然俺の体からは血が流れている。


「ああ...ちょっと眠くなってきたな...ちょっと寝ていいか...?佳奈...」


「だ、駄目!寝ちゃダメ!ねえ!寝ちゃダメってば!ちゃんと起きて!ゆーくん!」


そう言ってくれるものの、ガチで眠い。

血が抜けすぎてしまっているからなのか、何故か眠くないはずなのに眠い。


「ご...ごめん、佳奈、ちょっとマジで眠いから...ちょっとだけ寝かしてくれ...」


「ね、ねえ!駄目!ダメってば!ねえ!私を残して行かないでよ!ゆーくん!!」


そして俺は愛する人の腕の中で永遠の眠りについた...はずだったのだが...


「ここは...何処だ?」


何故か目が覚めると、知らない家の天井が最初に見えた。

体を起こして周りを見ても、明らかに俺の部屋では無い。


そして目の前にあった縦長にデカい鏡で自分を見てみると、ある事に気が付いた。


「これ...俺?」


そこに写っていたのは、明らかに俺では無い、知らない男の顔だった。


そして俺はそれを見た瞬間、ある1つの仮説が頭に思い浮かんだ。


「これって転生ってやつ...?」








・・あとがき・・


えーっと、お久しぶりです。

筆者です。


前に近況ノートで書いたように、12月から新しくやると言っていましたが、確かに12月ではあるものの、もう年を越すくらいの日にちになってしまいました。


皆さんはどういう風に年越しを過ごすんでしょうか?

ちなみに僕は課題と執筆に追われているので自由な時間はありません。


そんな中で書いたこの作品、意外といい出来になったんじゃないかと思います。

面白いと思ったら応援マーク、そして星を付けて下さるとマジで嬉しいです。

次の話を書くモチベに繋がるので是非是非お願いします。

基本は一日一話目標にやりたいです。

出来るようにします。































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