第13話銀翼の騎士団


「ガヤガヤ」

「こちらが手続きとなっておりますので、順番にお並びくださいー!!」



そう言ってハンター協会の職員がテント前で、いろんな格好をしたプレイヤーらしきした人達のハンター確認していた。



山の奥ダンジョンの周りは戦いやすいように更地にされていて、人が溢れかえっていた。



「最悪」


この人だかりができている列に並ばないと思うとぞっとする。なにか、回避する手段はないかと考えを巡らせるとちょうど、見たことある人が現場で指示を出していたので、近づく。



「そうですね。食料はこちらにおいてください」

「わかりました」

そう言って、その人の周りから人がいなくなった頃合いを測り話しかける。



「人、たくさん助けてほしい秘書」

「誰だかわかりませんが今忙しいので、おふざけは後にしていただけませんか」



そう、冷たく言われて初めて、あぁ仮面取ってなかったなと思い、外套を頭にかぶり仮面を少しずらして顔を秘書に少し近づける。



「俺、ライアン」

「!?」



俺が急に誰だか分かったようで秘書は驚くがすぐにそのからくりに気づく。



「認識阻害ですか…」

「正解」




「ライアンさんはこちらのテントに入ってもらえると助かります」



と、通されたテントの先には支部長となにやら腕に自信がありそうな人たちが言い争っていた。



「このダンジョンは真正面から戦っても、勝ち目なんかない。1階~5階層しか潜ったことない初心者は強制参加は取りやめたほうがいい」



「だからだ。スタンピードは人手が足りない。初心者の手を借りたいほどな。それに別にそのまま死ねと言っているわけではない。初心者は必ず、2パーティーでことをあたってもらう。その中に中堅冒険者、上級冒険者を一人ずつ入れて引き際を見極めてもらう」



という言い争いを聞きながら秘書さんが用意してくれたイスに座る。



「粗茶ですがどうぞ」



と大量の甘味が置いてある机からこちらに甘味をいくつか持ってきてくれた。



むしゃ。むしゃ。



うまい。これどこのどら焼きだろう?後で、秘書さんに聞いてみるのもいいな。



「おい、柳橋。誰がここに人を呼んでいいといった?」

「この方はお面をしていて分かりませんがライアンさんです」

「っ!?」



支部長は「いやだがしかし」とか俺を疑っているようで、秘書が支部長の耳元で「認識阻害です」というと疑っていたのが嘘のように納得した。



「ライアン?支部長、なぜこの人がここに呼ばれているんですか~。聞いたことない名前なんですけど」



そういって金髪のギャルは俺のことを話題にあげる。



むしゃ。むしゃ。

俺は話題にあげられても気にせず団子を食う。うん、これもうまい。



「それ、僕たちに用意されていた甘味じゃないか。何勝手に食べてんだよ」



紫髪のガキがいちゃもんをつけてきたので、俺はお菓子を食べながら、お菓子を守る。



「もぐもぐ」

「お前~!」と、なにやらガキがかんしゃくを起こした。



「ラグー落ち着ついて」



重装備の大柄の少年がガキの腕をつかんでガキを抑えて俺に突撃しようとしていたガキを止める。



「なんでだよ!」

「ラグー、ここに呼ばれたことは彼?彼女も高プレイヤーだ。今、争うのはお互い利点にならない」



そう、銀髪碧眼のイケメン男がそう言うと抵抗していたガキは大人しくなる。



なんかどっかでこの人見たことあるけど、どこだっけ?



「ライアン。こいつらのことはテレビで知っていると思うけど銀翼の騎士団というパーティーで、今回お前とともにパーティーを組むメンツだ」



「は?」



聞き捨てならない言葉が聞こえたため甘味を食べるている手を止める。



「どういうことだよ!おっさん、なんでこいつがうちのパーティーになんで入るわけ?」



俺と同じ疑問を支部長に投げかける。



「おっさんじゃねぇ。まだ28だぞ俺」



「そういうのいいんで~。早く理由教えてください~。まぁ、もし下らない理由なら切っちゃいますよ紫苑が」



俺も気になるので支部長に視線を向ける。



「あぁ~。ライアンは今回のスタンピードの参加はソロか?」

頷いとく。



「はぁ?馬鹿なの?スタンピードでソロ参加なんていないよ。ソロは現地で必ず、パーティー募集をかけてパーティーで行動しないといけないのに」



と、ガキが馬鹿にしてくるのでイラっとする。



「今回のスタンピード参加で高プレイヤーのパーティー枠が開いているのはお前たちのパーティーしかいない」



「こと…」

「断る」

そう俺は食い気味に答える。



「はぁー。第一印象が悪いとはいえ、どこかしらパーティーに入らなけばならないんだから今のうち、入っとくのが楽だぞ」



「パーティーには入らない」



そうだ、パーティーは絶対組まない。俺を殺したのはパーティーメンバーだからなおさら信頼して背中を預けられない。



それに「お荷物はいらない」と俺は銀翼のなんとかのメンツを見ながら言う。



「お荷物だと…」

紫髪のガキは震えながら、俺に何やら抗議する前に銀髪の男が言う。



「決闘だ。それほどの大口が開けるということは自分の強さに自信があるんだろうな」

と、喧嘩腰に言ってくる。



「支部長、こいつが俺に勝ったらソロでもなんでも了承してやればいい。ただし、俺に負けた場合は俺たちのパーティーに入って雑魚処理係だ」



「いいよ」

俺はパーティーに入らなくていいならその決闘も了承する。

「おい、おい勝手に決めるなよ」

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