遭遇

初めてその少女と出会ったのは、どこだっただろう。

いつもは閑散とした場所に人だかりができていたから、気になって見に行った。

人をかき分けくぐり前へと出てみると、そこには一つの管があった。

少女一人が入れるくらいの、外側が透明になっている管。

そんな物があるだけで人が集まるはずがないから、更に注視してみると、

中には美少女がいた。

数値化するならAPP18以上だろう、銀色の娘。周りの人から見られても特に反応はせず、筒の中でたゆたっている。


そんな少女に惚れてしまったのだろうか。

気づけば私は毎日少女の下へと通っていた。

あの引いた人の殆どはもう来てなくて、いても2,3人。

私一人のときも珍しくはない。

答えの帰ってこない少女に、必死で話しかける私の姿は、はたから見ればさぞ滑稽だっただろう。

そんな日々になって半年が経っただろうか、少女の周りに再び人だかりができていた。

前回とは違い、大きいカメラなどがちらほら見える。

何かあったのかと心配になり、人だかりの中心へ足を向けた瞬間、私の視界は銀に染まった。

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