第3章 17話 優夜を知っている③

 シャルアが風のようにすばやく、ゆん菜とエスミナの頭を抑える。


 地面に押し付けると、自分も身を伏せた。


「ユナ、あれに触れたらだめよ」


「あれはなに?」


「逃げた召喚者を捜すとき、あの霊力の波で人を感知するの。前に見たことがあるわ」


 また波が来た。伏せているゆん菜の頭の上を通り過ぎていく。


「今は霊力を使ってもだめだよ。夜に霊力の光を出すと目立つから」


 蹄の音はだんだん近くなる。


 そのうち、人の声も混ざってきた。聞き覚えがある声だ。昼間のことが、次々に頭に浮かぶ。鼓動が早くなった。


 蹄の音が聞いたときから、嫌な予感がしていた。


 やがて姿を現したのは、やはりハルヴィンだった。


 彼は馬上にいる。


 馬と一緒に町に預けられたはずの、メイメイの姿はなかった。

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