エピローグ
あの夏の日から何年経っただろうか。
僕たちが結ばれた、あの幻想的な夜から。
「裕涼〜!ご飯できたよ〜!」
パソコンと向き合いながらそんなことを考えているとふと声をかけられた。
「はーい、今行くよ〜!」
僕はそれだけ返してパソコンを閉じる。
そしてドアを開けて食卓へと向かう。
「おはよ、裕涼」
「うん、おはよう、天音」
僕は食卓に並んでいる皿を見て感嘆の声をあげる。
「おぉ、朝からすごい豪華だね」
すると天音はふふ、と笑ってから言う。
「だって今日は天音たちが結ばれてから8年目だもんね」
僕たちはあれから8年の月日を経てお互い25歳になっていた。
大学も卒業して、就職して、ついこの間結婚式もあげたばかりだ。
「月日が経つのは早いな」
「そうだね」
僕は仕事の傍らラノベ作家としても活動している。
売上はまぁそこそこ、といった感じでラノベ作家だけで食っていくというにはまだ程遠い。
「そういえば今裕涼が書いてる作品、もう少しで終わりそうだったよね」
「うん」
今僕が書いているのは、僕と天音の今までをそのまま書き記したものだ。
何も手を加えなくてもいい。だって僕達は運命的な出会いをして、運命的な結ばれ方をしたのだから。
「後は天音の手術が大成功して驚異の回復力を見せてめでたしめでたし!って感じ」
「確かそうだったね、裕涼泣いて喜んでたもんね」
「あはは、それは忘れてくれ」
「やだよ〜、だって泣いてる裕涼も可愛かったんだもんっ!」
天音とともに過去に思いを馳せる。
あの時はこの手術が失敗してしまえば最悪命を失う可能性がありますと言われて手術中は気が気じゃなかった。
でも結果的に手術は大成功に終わり、天音は病をも克服した。
そのおかげで今は安寧の暮らしが出来ている。
「懐かしいね」
「うん」
あの時の1瞬1秒が昨日の事のように浮かび上がってくる。
決して、忘れることの無い、忘れてはいけないあの日々。
そんな日々をたどってたどり着いた
やっとつかみ取れたこの幸せの中で、僕たちはこれからも穏やかに過ごしていくだろう。
そして、いつしかの僕たちへ伝えたい。
そのままで大丈夫だよ、と———
【〜完〜】
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ご愛読ありがとうございました!
本作はこれにて完結になります。
細かい描写など書きたい部分はまだありましたが人気がいまいち奮わず言わば打ち切り、の状態に致しました。
ですが書きたかったことは書けて、天音と裕涼の物語の結末までは辿り着くことが出来ました。
これも本作を応援して下さった皆様のお陰です。
応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
また、今後とも音海 亜玖愛をどうぞよろしくお願い致します。
ド底辺Web作家の僕を初期から応援してくれてる超古参読者はどうやら同じ学校の学年一の美少女らしい〜とある拍子で人気作家になってからなぜか彼女の機嫌が悪い〜 星宮 亜玖愛 @Akua_kaku
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