218話、隙間時間
96日目、夕方。
魔物生成でマナガルムを生成、捕食。
「ておい、サラッとなにしてんすか」
「ビビったのです」
だってほら、みんなが居ても勝てないと思うくらいの魔物だったんだから、食べたら強くなれると思って……
で、実際強くなった気がする。
「拘束無効、威圧無効、恐怖無効、支配無効…… 支配無効があっても強制テイムは効くんだ」
「恐怖無効て、また人外になったっすね」
もうお化け屋敷入れないよ。この世界に多分ないけど。
耐性だけじゃなくて、なんかよくわからないスキルも貰った。
神威、咆哮、神速、統率。なんか凄そうなスキルが多い。特に神威。これが強すぎる。
「神の素質のないものに強力な拘束、恐怖、威圧効果だって。マリアはビビってたけど分身して逃げてたし、私もビビってたけど動けはしたし。一番強いムサシが動けなかったからちゃんと効果あるみたいね」
「あれはなかなか抗えんのう。本気出せば刀は抜けただろうが」
それくらいには強力なスキルっぽい。まあ、神性のあるやつには効かないから、もちろんエリスにも効かないだろう。今後の使い所は難しい。
さて、アンジュとレティの様子を見てから、日が沈みきるまで自由時間だ。
もうこの町で特にやることはないが……
「料理だけじゃなくて、食材自体も買っとくっすか? 本国のほうが全部良いのはわかってるっすけど、改良の方向性の参考にはなるかもっす」
たしかに、たとえば果物も用途にあわせて甘さを強くするか酸味を強くするかとか、そういうのもあるし。我が国のものが更に良くなるのは大歓迎だ。
というわけで、果物や野菜、穀物、調味料などを売ってるお店を見て回る。調味料の店がそこそこ多いのは、迷宮産のスパイスが多いかららしい。
油も肉もスパイスも迷宮産って、良いな。味が濃くてカロリーのあるものを簡単に得られるのは、肉体労働の冒険者には嬉しいだろう。ここが迷宮都市として栄えるのもわかる。
「そこそこ買ったし、もういいかな」
「そっすね。マリアとムサシも、そろそろ戻ってるっすよね?」
マリアとムサシは、酒と甘味を買いに行っている。またか、と思うが、試飲試食しながらだから一日で全部は買えないと言っていた。ま、時間はあるから良いんだけど。
「どうせ食べて帰ってくるし、私たちもなにか食べてから帰る?」
「それもいいっすけど、宿の飯でもいっすよ。なかなか美味そうなのも多かったっす」
「じゃ、帰るか。レティにお世話されたいし」
というわけで、私たちは宿で食べることにした。
レティとアンジュもいるし、話でもしながらゆっくり食べよう。
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異世界召喚巻き込まれ追放テイマー~最弱職と言われたジョブで魔物軍団を作ったら世界最強の町ができました~ 九龍クロン @kagamikuron
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