第25話 決着
突然、俺の体から青白い光が放射され始めた。その光は、エレクトロビックスパイダーの電気の色と不思議なほど似ている。光は徐々に強くなり、やがて俺の全身を包み込んだ。
「なっ...!?」思わず声が漏れる。予想外の出来事に驚きながらも、俺は必死にエレクトロビックスパイダーを押し返そうとしている。
青白い光は、まるで俺の決意と意志を具現化したかのように輝いている。
周囲の仲間たちも、この異変に気づいたようだ。驚きの声が上がる中、俺は自分の体から溢れ出す力に集中する。この力が何なのか、まだ理解できていないが、今はそれを最大限に利用するしかない。
エレクトロビックスパイダーの足を持ち上げて、エレクトロビックスパイダーの体制を崩す。
エレクトロビックスパイダーの巨体が傾き始める。その隙を逃さず、一気に押し返す。「うおおおっ!」と叫びながら、巨大な蜘蛛を押し上げ、その体勢を完全に崩す。突然のバランスの喪失に、エレクトロビックスパイダーは混乱し、一瞬の隙を見せた。
その隙を見逃さずに、エレクトロビックスパイダーの胴体に一撃を打ち込む。
エレクトロビックスパイダーの巨体は大きく揺れ、バランスを崩して地面に倒れ込んだ。その衝撃で地面が震え、周囲に砂埃が舞い上がる。エレクトロビックスパイダーは必死にもがいているが、その巨体のせいで素早く起き上がることができない。
後ろから聞き覚えのない女性の声で「ルカキュン!私の弓を使って」
振り返ると、先ほどまで負傷していた女性冒険者が立ち上がり、弓を差し出していた。彼女の目には戦意が宿り、その姿勢からは回復の兆しが見えた。
ルカはその弓を受け取り、体そのものを雷のような姿に変える。
ルカは、受け取った弓を左腕に装着する。その瞬間、彼の全身から放たれる青白い光が一層強くなり、まるで稲妻が体を包み込むかのようだ。右手で弓の弦を引き絞ると、その動作に合わせて体全体が弓なりに湾曲していく。
周囲の空気が張り詰め、静電気が肌を刺すように感じられる。ルカの体は今や完全に雷そのものと化し、まばゆい光を放っている。彼の目には決意の色が宿り、標的に向かって集中を高めていく。
一瞬の静寂の後、ルカは自身の左腕を矢として放つ。その姿は、夜空を切り裂く一条の稲妻のようだ。空気を切り裂く鋭い音とともに、ルカの体は驚異的なスピードでエレクトロビックスパイダーに向かって飛翔する。その軌跡には青白い光の尾が残り、まるで天空から落ちる流星のようだ。
「テンペストピアス!」
ルカの体が放つ雷撃は、エレクトロビックスパイダーの胴体を貫く。巨大な蜘蛛の体が激しく痙攣し、青白い電光が全身を駆け巡る。耳をつんざくような悲鳴とともに、エレクトロビックスパイダーの巨体に巨大な雷の矢が刺さっている
「致命傷になってない!」とリークが言う。
「俺が、押し込む!」と
俺が走りこみ、刺さっている巨大な弓に右腕で殴りこむ。
衝撃の瞬間。俺は、
体全体を魔力を循環させるときよりも範囲が小さいためなのか、より早く循環していく。
強烈な痛みが右腕に走る。
俺の右腕が青白い光に包まれ、エネルギーが爆発的に増幅される。その瞬間、弓が完全にエレクトロビックスパイダーの体内に押し込まれ、巨大な蜘蛛の体が激しく震える。突然の衝撃に、エレクトロビックスパイダーの電気的な機能が完全に停止し、その巨体が地面に崩れ落ちる。
「
その言葉が自然と口から漏れる。右腕に集中した魔力の爆発的な増幅、そして一瞬で放出される衝撃。まさに、複数の打撃を一度に与えるかのような威力だ。
青白い光に包まれた右腕を見つめながら、俺は決意を新たにする。この力を使いこなし、仲間たちを守る。そして、この世界の謎に立ち向かっていく。
「
その言葉とともに、倒れたエレクトロビックスパイダーを見つめる。この戦いは終わったが、これは始まりに過ぎない。これからどんな冒険が待っているのか、俺の心は高鳴っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます