第4話

蜘蛛が人を食べたり、足だけ残して下僕作りに使ったり、死体を都で晒したり…何だか随分ホラーよりも猟奇的な側面が強い話だ。昔は案外これが普通だったのか?


ということをそっくりそのまま凪に聞いてみた。その結果帰ってきたのは「知らん」という辛辣な一言だった。何もそこまで適当に言わなくてもとは思う。


移動中の電車では互いに何をしているのかという話で盛り上がった。どうやら凪達は妖怪や都市伝説について興味がある人たちの集まりとして人喰い蜘蛛の伝承を調べに行くらしい。だからあんなに軽くあしらわれたのか?


私たちの探偵活動についての話もしたが、一織ちゃんが現役の高校生だということのほうがよっぽど驚かれた。私は特に何もしていない。やはり、趣味の一つでも見つけておくべきだろうか。


特に凪の質問責めが凄まじい勢いだった。会ってないだけで話はしてたはずだが…?


などと考えていたらいつの間にか私の話になっていた。


「響さんはうちの看板娘なので、これからはもっと有名になると思います!」と一織ちゃんが言っていた。そこまではよかったのだが…


「看板娘?響は男やろ」と凪が言ってしまったせいで面倒なことになってしまった。


実際私は一人称や長髪は女性的で体格は男性的で声は中性的(凪談)なので間違えるのも仕方がないところはある。


この後一玉さんからはかなり気を使われたし、鬼沢さんからは気を使われなくなったが、正直そこまで影響がなかったため安心である。


そして私たちはついに網縫館に着いた。入ると、早速男の人が顔を出した。


凪「どうも、予約していた鞍馬です。」


菊「よくぞ網縫館へいらっしゃいました。ささ、お上がりください」


「でも」と凪が返した。「でも、ウチら今からここら辺の調べ物があるんで荷物置いたらまた出てもいいですか?」


その男性から「もちろんいいですよ」と言われたため、私たちはそれぞれ渡された部屋の番号へ行き、荷物を置くと、そのまま再び網縫館を出た。


それにしても旅館なのにあの人1人で回してるのだろうか?客室も私たちが1人1部屋使っても半分くらい余っていたし相当な広さがあった気がするが…

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