十九話 解除の杖
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や……やるなぁ……
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キスされて嬉しいくせに何怒ってんだか
「バカ女は流石にね」
「それよりタンしお……その剣強いな」
「あ……さっきのチュー……ありがとうございました! 一応お礼言っておきます!」
「……そうか」
姫様が真顔で僕を見つめている……もしかして言いたいことあるけど配信してるから言えないってこと……!?
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ってかその金鳥で一気にボス部屋まで飛べば良いんじゃね
「た……確かに……」
というかこの剣……どうやったら鳥になるんだ……?
「雛さんはこの剣が鳥に戻る方法分かりますか?」
「それは分からないな……」
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つまり突然で勝手にか
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なんか叫んでみたら
「剣よ! 鳥に戻れ!!」
僕は金の剣に向かってそう叫ぶも、何も変化は無かった。
「いや〜! お前等強いな〜!」
突然部屋全体におじさん声が響き、上からもう一人の巨人が出現した。
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また新たな敵か……!
』≮=⊗
どうせこんども楽勝に終わりそう
「雛、タンしお、そして配信を観ている諸君! 俺はここのダンジョンのボスだ!」
「まじ……!?」
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急にボスキターー!
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勝てるよな……
「手下どもじゃあ敵わないと思ってな。俺様が直々に来たって訳だ」
ダンジョンのボスと思われるおじさんがそう言った瞬間、姫様の足下の地面が無くなった。
「ひ……姫様ーーー!!」
僕がそう叫んだ瞬間、姫様が落ちた穴が塞がった。
「穴が消えた……」
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ひめって言わなかった?
「ふっ……これが俺の地形を変える魔法だ」
姫様なら水の魔法を地面に当てて落下ダメージを無くせるはず……
「下には俺の部下が五十人いる。手を出すなと言ってあるが……どうなるのだろうな」
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これ逃げた方が良くないか?
「俺は逃さねぇけどな!」
ボスの巨人は僕に向かってパンチしたが、僕は全身を光らせて横に移動してパンチをよけた。
「速い……体に光をまとって素速い動きをしたか……面白い」
まだ光の魔法に慣れない……! 今奇跡的にかわせたけど……
「俺を少しでも楽しませてくれよ」
ボスの巨人がそう言った瞬間、金鳥の剣が鳥に変化した。
「クエーー!!」
「お前……!」
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キターー!! 金鳥!!
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もしかして光の魔法に反応して鳥に変わった!?
僕は金鳥の背中に乗った。
「ここは一旦逃げるぞ!」
頼む……! 言うことを聞いてくれ!
「それは珍しい武器だな。そいつごと潰してやろうか」
ボスの巨人はそう言って僕と金鳥に向かって拳を振り下ろしたが、金鳥は飛んでかわした。
「危なっ……!」
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ナイス!!
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マジナイス!
金鳥は僕を乗せて姫様が壊した壁に向かって飛び始めた。
「僕の言ったことが分かるのか?」
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それは賢いな
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偉いぞ!
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きっとタンしおより賢いぞ
「……取りあえず武器庫を探そう」
鳥に乗りながらだと僕は手ぶらになるから……何か武器を持っているべきだな……
*
数分後、僕と金鳥はダンジョン内の通路を飛んでいる途中で金色の扉を発見した。ダンジョンのボスは撒いたからしばらくは大丈夫だろう。
「……あった! 入るぞ」
僕は金鳥から降りて武器庫に入り、剣がたくさん並べてある所を物色し始めた。
「武器は……剣にしよう。あのボスの体を貫ける程の剣を探さなければ……」
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そもそもボスが自分の体を傷付ける武器を置いておくかね。
「さぁ……無いかもしれないけどそれでも武器を持って置かなきゃ……」
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本当にクリアさせたくなかったら武器すら置かんでしょ
「……これにしよう」
僕は一番見た目が地味な剣を手にした。派手な剣とか色々あったが……
「よし……雛さんと合流しよう」
もし……姫様が巨人達と戦って疲れていたら……
「出来れば僕と金鳥でボスを倒せたら良いなと思っているけど……みんなはどう?」
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無理
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お前一人じゃ無理
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絶対無理
※Φ∈Φ∈Ο∧℉κκ
むーりー
「まぁ……やっぱり無理だよな……金鳥はどう思う?」
僕は背後にいる金鳥を見ようと振り返った。何故か金鳥はくちばしで一つの杖を加えていた。
「なにそれ。その杖を武器にして戦った方が良いってこと?」
金鳥は首を前に出して杖先で僕の頭を叩いた。
「いた!」
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どうした
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叩かれたw
∝φ∣Μ
飼い主への反乱!?
「な……なにするんだ……金……」
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その杖の効果って何かあるんじゃやいのか!?
≧“Ι≈∀μμ
攻撃力上げるとか
「お前……まさかリュウ……!」
「クェー!」
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龍?
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どした
「お前はリュウなんだな!」
「クエーー!!」
リュウ……それが僕が小二の時にこいつに付けた名前……思い出したってことはリュウが咥えている杖はかけられた魔法を消す解除の杖か……!
≮∣≯∆σ
急に黙り込んでどうした
「思い出したんだ……この金鳥にリュウと呼んでいたことを」
イスのローラー
急に記憶が戻った!?
裁ちバサミカッター
金鳥が咥えている杖は解除の杖か!
「……ほとんどね。記憶が戻ったのは」
∣↴∪! ω"Ι∞∫
記憶失ってたんか!?
「あぁ……前にね」
χ⁉∠-7
前に記憶喪失する魔法でも受けたんか
「そうだ……行くぞリュウ」
「クエー!」
僕は剣を腰に差してリュウに乗り込み、羽ばたくリュウと共に僕は部屋を出た。
∋:”√Α⑸η⑸
ほとんどってどう言うことだ……?
ほとんど……僕は姫様から聞いた小一の学校での思い出は思い出したけど……小二の思い出は途切れてる……全部を思い出すのに時間がかかるってことなのか……?
「あの頃は……誰かを恨んでいたな……」
*
「……北海道に魔法を伝える魔女が来るんだ」
小二の僕は家のテレビを観ていると、北海道に魔女が来ていると言うニュースが来た。
「へぇ〜……魔女から出題された問題を解いて電話すれば、魔法を授ける魔女がいるダンジョンを教えてくれるらしいね」
一緒にテレビを観ていたお母さんは僕にそう言った。
「……僕が問題を解くからダンジョンに連れて行ってくれない?」
「問題解けるの? それに……ダンジョンは危ないよ!」
「お願い……お母さん。僕は魔法を使えるようにならなきゃいけないんだ」
「……どうしても親の仇を取りたいの?」
僕はお母さんの質問に対して頷いた。
「わ……分かったわ。止めても椛なら一人でダンジョンに向かうだろうし……」
「ありがとう」
「あっ! テレビで問題が出るわ!」
テレビの映像で魔女から出題したという問題が映し出された。その問題とは【(〇X)³+(△X)³+(□X)³=(☆X)³】という内容だった。
「なにこれ数学の問題?」
「あぁ……五分で解けるやつね」
「す……凄いじゃない椛!」
「問題の答えを電話で伝えて、魔女がいるダンジョンを教えてもらおう」
*
一時間経った頃、僕とお母さんは魔女がいるダンジョンに入っていた。
「モンスターは出ないのよね……」
「テレビでは魔女がモンスターが襲って来ないようにしているらしい」
「へぇ〜」
「あった」
僕は金色の部屋を見つけて指差した。
「あの扉の奥にいるのよね……」
「うん……金の扉は武器庫らしい」
僕とお母さんは扉を開けると、広い部屋で金色の鳥が飛び回っていた。
「きゃー! なに!?」
「え? 敵!?」
「フォーッフォ! こいつはボスじゃが安心せい!」
部屋の真ん中にとんがり帽子を被っている魔女らしきおばあさんが笑いながら僕とお母さんに向かってそう言った。
「あなたが僕に魔法を授けてくれるんですか?」
「んん……? 悪いがわしは問題を解いたしっかりとした大人に魔法を授けたいのじゃよ」
「僕が問題を解いたのですけど……駄目ですか?」
「……お主が? 隣のお母さんじゃなく?」
「私は数学は全く分からなくて……」
「ほぅ……何人か全部0と言ってきたが……初めの正解者が子供だとは……フォフォフォ! 面白いわい!」
「笑ってないで魔法を……」
「わしは見る目があるから言うが……お前さんは誰かを憎んどる。両親でも殺されたかのう」
「……なるほど。読めるんですね心」
ダンジョン配信中に記憶が無くなりました みかづき椛 @tanshio0721
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