第23話 鑑定解禁!
俺は早速『叡智のグラス』を装着してみた。アヤさんを見ながら【鑑定】と念じると目に見えている視覚情報にオーバーラップするように文字と数字が現れた。
アヤさん
種族 猫
レベル 27
HP 546/546(+50)
MP 221/221(+20)
膂力 623(+57)
体力 488(+49)
知力 158(+14)
素早さ 720(+120)
器用さ 178(+16)
直感 571(+52)
運 814(+444)
スキル 【咆哮+5】【乱撃爪+5】【破転爪+3】【絶牙+3】
【無詠唱+6】【念話+2】
魔法 【火+5】【風+4】【水+1】【氷+1】【土+4】【雷+3】
【回復+4】【補助+2】
耐性 【物理+5】【精神+6】【毒+6】【麻痺+1】【火+5】【風+4】
【水+1】【氷+1】【土+4】【雷+3】
カッコ内の数値は主に『獣王の首輪』による効果のもので、運が爆上がりしているのは、幸運の女神にモフられているからだろう。点滅しているのでたぶん永続的な効果ではないはず。
アヤさんとコミュニケーションが取りやすいのは【念話】スキルのお陰だったようだ。「思念で話す」というよりは言語化される前の意思の段階でコミュニケーションが取れている気がする。
てか、『さん』まで含めて名前だったのか。自分で名付けておいて知らなかった。
続いてラクスティーケを鑑定する。
ラクスティーケ
種族 理天使
レベル 88
HP SS
MP SS
膂力 SS
体力 SS
知力 SS
素早さ SS
器用さ SS
直感 SSS
運 SSS
その他 鑑定不能
うーん。なんか凄そうだけど、鑑定スキルレベル8相当ってことだから高次元の存在は詳しくわからないのかな。しかし、理天使ってなんだろ? 普通の天使とは違うのかね。
さて自分はどうだろうと思うと、すぐにステータスが表示された。
伊東
種族 人
レベル 27
HP 398/398(+23)
MP 519/519(+29)
膂力 437(+25)
体力 394(+22)
知力 522(+30)
素早さ 340(+19)
器用さ 418(+24)
直感 268(+15)
運 926(+489)
スキル 【戦独楽+5】【回転斬り+2】【五月雨突き+4】【乱打+1】
【強弓】【無詠唱+6】【念話+2】
魔法 【火+5】【風+3】【水+2】【氷+2】【土+4】【雷+5】
【回復+4】【補助+2】
耐性 【物理+4】【精神+8】【毒+2】【麻痺+1】【火+5】【風+3】
【水+2】【氷+2】【土+4】【雷+5】
なるほど。やはりこうして数値化してみるとわかりやすい。
ちなみに、俺の名前はノーベル物理学賞を受賞した偉大な科学者に由来する。
武器も鑑定できるかもしれない。そう思って『天魔のハルバード』を見ると武器の詳細が表示された。
天魔のハルバード(※能力を発揮するために必要な要件を満たしていません)
種類 武具
クラス 神器
属性 物理、雷
物理攻撃力 1670/16700
魔法攻撃力 1490/14900
固有戦技 【雷束撃】(【天魔断罪】)
アビリティ 各種ステータス6/60%向上
その他 【自動装備】
うーむ。まったく使いこなせていなかったらしい。【天魔断罪】という戦技はグレーアウトされていて使えていないことがわかる。攻撃力もまったく引き出せていない。
装備することにより各種ステータスが6%アップしているが、最大で60%もアップするようだ。今のままでもすでにぶっ壊れ性能なのだから、使いこなせたらどうなるのか想像もできない。
「お詫びの印としては十分じゃろ?」
アヤさんをモフりながらラクスティーケが呟いた。
「十分って言うか……十万分ぐらいありそうです。こんなすごいの貰っちゃっていいんですか?」
「なに、もっとすごい神器や神宝をたくさん持っているから心配するな……。と言いたいところだが、あのあと部下に叱られてな。こんな大盤振る舞いは二度と無いと思ってくれ」
すこし分かるような気がする。ハクスラ系のゲームに長時間はまると、初期の頃には
アヤさんの『獣王の首輪』も続いて鑑定する。
獣王の首輪(※能力を発揮するために必要な要件を満たしていません)
種類 アクセサリー
クラス レジェンダリー
アビリティ 素早さ20/100%向上、その他ステータス10/50%向上、HP自動回復毎分(10/50%)
これも使いこなせていなかったようだ。
「レベル1の時のステータスはどれぐらいだったのでしょうか?」
自分たちのステータスがどの程度のものなのか確認したかったが、数値の比較対象がないとわからない。
「そのあたりも含めて基本情報はその『叡智のグラス』を使えばわかるぞ。『ヘルプ』と念じてから『基本情報』と念じるのだ」
言われたとおりにしてみると、情報が洪水となって押し寄せてくる。昔の自分だったらとてもではないが処理できないほどの情報量だろうが「知力」が上がっているおかげでなんとか咀嚼できた。
知力が上がっても本質的な意味で賢くなったり創造力が爆上がりしたりする訳では無い。が、情報の処理能力は格段に上がる。
例えて言うならば、同じプログラムを型落ちの安価なPCで動かした場合と最新のハイエンド機で動かした場合の違いのようなものだろう。
アルゴリズム自体を改善しなければ、間違った思考ルーチンを爆速で処理するだけの「知力が高いバカ」になってしまう可能性もある。
典型的なレベル1の人間はHPなどのすべてのステータスが10ぐらいだそうだ。全人類の8割がレベル1スタートらしいので、自分はすでに数十倍の能力を持っていることになるな……。確かにあの高さから落ちて生きてるし、いろいろとありえない状態になっている。
他にも有益な情報を手に入れた。3列とも同じ線が揃ったレベル3とレベル10で格段に能力が上昇したように感じたのは正しかったようだ。
要求される経験値が4倍に跳ね上がる代わりに一回のレベルアップでステータスが倍増する。次に揃うのはレベル29なのでとりあえずはレベル29を目標にしよう。
「そろそろお暇しよう。励めよ、レオナイト」
ラクスティーケはそう言い残して消え去った。
レオナイト(Leoknight)——すべてのゲームで使用している俺のハンドルネームだ。レオナイトウに厨二っぽい英単語を当てただけだが、高校生の頃から使い続けている。
個人情報がダダ漏れなのは気になるところだが、天使様にそう読んでもらえるとなんとなく公認されたような気がしてちょっと嬉しかった。
そろそろ休もうかと思っていたけれど、彼女が残した「運上昇」効果が残っているうちにできるだけ多くの宝箱を開けておくべきだろう。
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