第172話 練習参加招待【side立花望】

今日はいよいよ練習参加招待♪

GWの序盤に位置する祝日、今日がその日!

休みだけど制服着て、これから出発!

忘れ物無く準備万全!なのにね?


承『…ちょっと待って?』


いっつも早め行動を勧める兄ちゃんが今にも飛び出そうとするあたしを引き止める。

…兄ちゃんは心配症なとこあるからね?

こうゆうのはマイペースに早め行動がいいと思うんだけどな?

心配なら着いてくる?


承『たわけ。引率の先生が来たぞ?』


兄ちゃんが差し示す玄関を開けて入って来たのは…宏介くん?!

なんで?!


承『じゃよろしく宏介。』


宏介『…おっけ。』


私はあたふたしながら自転車を用意して乗り込む。

宏介くんと並走しながら、なんで来たのか聞いたのね?


宏介『…そりゃ心配だからでしょ?兄ちゃんも俺も望が。』


(なんて言ったんだ?兄ちゃんは?)


そう思いながらも嬉しくてニコニコしながら自転車だと12、3分の新川駅まで軽快に自転車を飛ばす。


宏介『香椎さんは自転車は脚出ちゃうし品が無いから乗らないって言ってた。』


『あー。自転車乗る時はパンツ履く時だけって言ってた。』


色んな話ししてるとそれはあっという間で。

自転車はすぐに新川駅に到着。


宏介『…それでさ?結構性格重視なとこあるから?受け答えしっかりと。

あと礼儀や返事はしっかりとな?絶対トラブル起こすなよ?』


『はーい♪』


宏介『…わかってんのかな?心配。絶対に揉め事、暴力、事件ダメだぞ?』


『わかってるよぉ!』


兄ちゃんも宏介くんも心配症だなぁ?

あたし愛されてるなぁ。そんな事件なんて起こさないよ?


新川駅に着き、定期のカードでスマートに改札を抜ける高校生たちと比べて切符を買って入場する中学生のあたしは野暮に見える。

改札の向こうで宏介くんが待っててくれて、今日の事や諸々教えながら横を歩いてくれる…。彼女待つ彼氏みたいでよくない?

なんかいいな。

あたしの小さな胸が高鳴る…!


もし…もしだよ?

北翔高校に特待生で行ける事になって?

一年しか期間は重ならないだろうけど?

一緒に毎日…登校出来るのかな?

今日は妹分だけど…もしかしたら?

毎日一緒に登校出来たら…素敵じゃない?


『…宏介くん…は何処から乗るの?』


ホームに散らばる人たちはある程度ばらけている。

どの辺で乗ると良いとかあるのかな?

流石に家まで迎えに来るには遠回りだし?駅かホームで待ち合わせになるよね?

その光景を想像すると胸がときめく…!いい!


田中『…今居るこの辺がちょうどターミナル駅の改札近いから多用してるね?

久しぶり望ちゃん?』


『うわ?!』



田中くんじゃん?!

田中くんは兄ちゃんの友達の中で1番存在感が無い人で、

宏介くんが来てる!って思ってテーブル見るとお茶が多いと思ったら田中くんが居る!ってビックリする事がある。

よくくれるお菓子はチョコレートだね。


あたしはビックリして、


『田中くん?いつから居たの?』


田中くんはいひ!って笑いながら、


田中『改札で合流したでしょ?』


って言うから?首を捻る?

うん?あたしが彼女待つ彼氏みたいでよくない?ってときめいた頃には田中くん居たの?


田中くんが悪いわけでも、まして嫌いな訳じゃ無いけど。

でもなんかあたしのふたりきりって雰囲気返して!

そう思いながら田中くんにおやつをせびる。

…兄ちゃんの友達はみんなあたしにおやつくれる☆


宏介『…望?田中くんは年上でしょ?挨拶は?』


宏介くんこうゆうのうるさいの!

礼儀正しいんだけど、成実ちゃんとかタメ口で話すと気になるみたい。

…田中くん…いつも忍者みたいに急に現れ、今日は邪魔してー!

そんな田中くんへ挨拶…?



『ドーモ、タナカサン。タチバナノゾミデス』


無表情に挨拶するアタシに田中くんは顔を引き攣らせて、



田中『望ちゃん?俺をたまに忍者扱いするけどさ?それ忍者殺すキャラの挨拶だよね?』

ニンジャ⚪︎レイヤーニンジャスレイヤ⚪︎参照。


『アイサツは大事、古事記にも書いてある。』


田中くんは笑いながら宏介くんに望ちゃんだもんってとりなしながら、



田中『望ちゃんが後輩になったらさ、こうやって一年位毎日一緒に登校出来るかもしれないね?』


『ニンジャ殺すべし。』


言われた!今日何処かで宏介くんに言いたかった言葉!田中くんが言っちゃった!ニンジャ許すまじ!


コツン!宏介くんのチョップがあたしの脳天に入る。


宏介『望?田中くんは先輩で、俺や承の友達だよ?』


『ごめんなさい。調子にのりました。』


インガオホーってマンガなら言うとこだ…。

※因果応報。


ターミナル駅降りれば10分ほどで北翔高校!

綺麗で大きい!


宏介『なにかあれば言えよ?昼すぎまでは居るから。』

田中『僕も居るよ、映像研究会に!』


玄関横の来客帳みたいなのに名前書かされて、入校証みたいなの貰って胸に付ける。

宏介くんは体育館、田中くんは部室棟へ。

私はテニス部の室内練習場へ向かい、準備してから練習参加になると思う。


確かこっちって聞いたけど?

…こっちだよね?大丈夫?


綺麗で、広い北翔高校。

祝日で人通りも少ないと不安になっちゃう…!


??『あれ?可愛い娘が居るね?

何処から迷い込んだの?小さいお姫様?』


爽やかげな顔したイケメン風味の男があたしに話しかけてきた?

…こいつ気に入らない…?


??『良かったら?案内しようか?お姫様?』


なんでかわかった。

こいつあたしを見ているようで見ていない。

ただ可愛い女の子が困っているとこに気障ったらしく話して関心を得ようと、あわよくば好意を稼ごうという意図が見え隠れしてる!



『大丈夫です、ドーモ。』


??『待ってよ?テニス部の練習招待じゃ無い?

俺、二年のくz』


瞬間で振りほどいたケド!こいつ!あたしの腕掴んだ?!

ちら、ちら?

幸い辺りに人は居ない…?



あたしキレちゃった…。

小さい声でだけど!気合い一閃!!


『屑龍閃ッ!!!』



☆ ☆ ☆

アレだけ注意されたけどやっちゃった望(笑)


クロス回です、本編で今日の事宏介に頼む承の話をやっております。

よろしければそちらもどうぞ。


363話 親友へのお願い

https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16818093076020864414

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