本宮幸司の告白
輝く君と優しい思い出の夢
【幸司くん……】
まただ。また幸司の夢を見ている。洋子は不思議と悲しい気分になって、幸司を追いかける。ふわふわと黒の中に光る青い髪が揺れて、同時にキラキラと光る雫が舞うようにこぼれ落ちる。
【どうして泣いてるの?】
幸司はまた、泣いていた。ポロポロと、無表情なままにキラキラと青く光る涙を流している。
【何かあったの? 何があったの?】
洋子が幸司を追いかけていくと、とある場所で止まった。つい昨日行ったラーメン屋だった。そのラーメン屋には、鉄二と……。
【お父さん……?】
子どもの頃の小さな幸司と、鉄二。それから、洋子の父である達也の三人が並んで座っていた。
高校生の幸司の方は、それを無表情に眺めて涙を流している。
【幸司くんも…悲しいの?】
楽しそうで幸せな光景に見えるのに、洋子の悲しい気持ちもどんどん加速していく。
【本当はずっと、悲しかったの……?】
洋子が幸司に触れようとすると、幸司はふとこちらを振り返り、キラキラと光る涙が舞った。ふわっと笑った幸司の瞳が金色に発光すると、洋子は夢の中なのに眠たくなってしまう……。
【幸司くん……?】
それを最後に、洋子の意識は途切れた。
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