第29話 最初の拠点

家に向かうと、何故かサブマスが付いてくる。


「サブマス、仕事良いんですか?」


「これも仕事よ、家の引き渡し」


仕方ないとりあえずは一緒に行って、帰ったら家を出そう。

暫く歩いて新たな家に着く。


「じゃあ、大きい鍵で開けてくれる、大きい鍵は全部で5つね!

玄関と倉庫と倉庫の裏と家の裏、そして倉庫と家の間の鍵よ、小さのは各部屋や収納庫の鍵ね、後で確認してね」


俺は大きな鍵を玄関の鍵穴に挿して回す、開かない次開いた。


「何か目印を着けて置けば確認が簡単よ、小さい鍵は一杯有るからね!

そうそうこの間抜きを抜いて、此処を上げれば日差ひさしになるわよ」


外の板壁だと思ったら上に金具が付いていて日差しになった。そしてその内は格子のガラス戸に成っており日が入ってくる。ただレールが無いので取り外しタイプだ。


「これは後で改良だな」


「これってガラス戸をどうにかするの?」


「色々ですよサブマス」


「ふーん少ししたら見学に来ようかしらね」


中に入る、右側は壁に机と椅子が4つか受付? そして左側は食堂で長机と椅子が一杯だな正面にカウンターで奥が大型の台所かな、少し入って受付? の奥入り口を通る左手に又入り口がある脱衣室とお風呂が奥にある

更に進むと扉が6個ある開けるとトイレだな下を見ると何も無いが臭いはする。


「此処は風呂場の洗ったお湯や水を定期的に外に流していたから少し匂う程度ね、嫌ならスライムを入れたらどうよ、ただ水を流すと一緒に流れて行ってしまうわよ」


「スライムいるんだ、魔物じゃあ無いんだ」


「あゝほとんど害は無い、ただ捕まえる時に触ると皮膚が痒くなるので、直接触るのは禁止だ」


トイレの反対側は部屋がある、倉庫だと言うので鍵穴に鍵を刺して10本目で当たって開ける。


「お宝が有りませんね」


「本当、何か残されて無いか期待したのに」


「そんな物だよ、戻って次に行こう」


今度は台所の中に入る。


大きい机は有るが、皿や鍋は無い、水道も無いし電気も無いな。


「此処で湯を沸かしてこのトイに流すと湯船に入るのよ、中に2つあった湯船が一杯になるまで、湯の当番がいたのよね、まあ君達は魔法が有るから要らないけど、普通は奴隷を買って当番にするんだよ」


奴隷、スライム、だんだんと異世界だな。不意に肩を掴まれるそして人差し指の先から火花が。


「旦那様、今奴隷と言う言葉で反応しましたね、不埒な考えですか?」


「待て風香違う、後で説明するから手を離せ」


「まあいいです、次その扉を開けてくださいね」


俺は台所の奥のドアを開ける、すると明るい日が入ってくる。


「此処が庭だよ、結構な広さだろ洗濯物干し場だったんだろー」


「彼方にもドアが在りますね行きましょうよ」


倉庫の側面のドアを開けた、中は薄暗い。


「さっきと同じで、木戸とガラス戸を開けないと空気はいれかえられないよ、入り口の横に有るからまず開けよう」


もう一度戻りドアの左右の木戸を上げる、日差しが入って明るくなる、床は土間だ、ついでに道路に面したドアを開けて、外から木戸を上げる。


「だいぶ明るいですね、天井も高いですね」


「ほら上ガラス窓有るだろー、恐らく2階と3階に通路があって木戸を上げる筈だ後手2階に上がったら確かめよう」


ここなら家を出せるな庭でも出せるし、どちらにするかは風香と相談だ。

そして倉庫と食堂をつなぐ扉を開けて食堂に戻る。


戻って扉の上の階段を登る。2階には左右に部屋がある。


これって1人部屋なんだな。


「中は何も無いのよ、ベットと机と収納庫が有ったのに、みんな売り払われてしまって何も無い事をギルドで確認しているわよ。

残念だがお宝は無いからね!」


そして進むと3階への階段、登ると又部屋が並んでるこれも下と同じ大きさ。


「ここも部屋の中は何もない、ただ奥の4部屋は他の倍あるので士官の部屋だと思う」


奥に進むと、確かに他の部屋より扉の間隔が広い。


「外を見てよー棒が出ているの見える? あの上に板を引いて木戸を開けるのよ、ただ木の棒が腐っているといけないから、そこは修繕する様にね」


これで全て見たが、何も可笑しな事は無かった。


「アレはいつ出るんです?」


「夜と言われているよ、だから私も付いて来たんだけどね、夜なら来ないわよ」


夜か、なら今晩からが検証だな。




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