第14話 村でのんびり

村の中を通り川の岸にたどり着く、目の前には壊れた石橋の残骸。

子供や大人が単身瓦礫の中を対岸に渡っている水はある程度引いているので歩きなら対岸に渡れるみたいだ。


「旦那様お昼でも食べましょうよ、あちらの空き地なら通行の妨害にはなりませんよ」


俺たちは岸の側の空き地でお昼の休憩の準備をする。

相変わらず風香の土魔法で椅子とテーブルを作ってその上にシーツを切ったテーブルクロスを引いて、サンドイッチと紅茶を取り出す。


「いい天気で橋の残骸さえ無ければ良い風景ですのにね」


「まあ仕方ないよ、サンドイッチ美味しいね」


「早々果物が冷蔵庫にありました、リンゴをアップルパイにした他に、なんとバナナがありました、食後にどうぞ」


2本のバナナがテーブルの上に置かれる。


「へー凄いね、バナナ何て久しぶりだよ」


「私なんか、闘病中毎日見てましたよ3日で飽きて4日目からは病院のベットの隣に置かれてましたよ、それよりもパイナップルとか蜜柑の缶詰が食べたいです」


「俺はフルーツみつ豆の缶詰が食べたいな、後はプリンとかさ」


「プリンですか、それなら出来ますよ材料は有るしね」


「風香やっぱり料理人なのか、オリンピック候補は嘘だろー」


「旦那様、電撃美味しいですよ、追加で食べます!」


「イエ、バナナを食べます」


テーブルを見るとバナナが無い?


「あれー? 風香ぁバナナ無いよ食べた?」


「イエ?旦那様が食べたのでは?」


俺たちはテーブルの周りを見回した、すると下にあのリスがいる。

俺達のバナナを食べている。


「このー! リス野郎今度こそは皆殺しだ」


その声を聞いたリスはバナナの皮を俺に投げて逃げて行く。

ここでお約束ならバナナの皮で滑るのだが、俺はそんなヘマをしない。

ただリスは木の上に登ったので、俺にはどおする事も出来ない。


「風香ぁ〜、魔法でアイツをどうにかして!」


「旦那様、無益な殺生はやめましょうよ、明日にはまた食べられますよ」


仕方ない、風香の説得に耳を貸して俺は椅子に座る。


午後は何をやろうかと思ったが、まず村を探索する事にした。

何かの出会いがあるかもしれないムフ。


「旦那様、紅茶お代わりどうぞ」


「ありがとう」バチン唇に衝撃が来た思わず膝をつく。


「女性との出会いがあるかはわかりませんが、紅茶に電気を溜めて電気との出会いはすぐ出来ますよ」


風香の横に女神様の伝言板、また心を女神様に読まれて風香にチクられた。


2人で村に帰り村の探検。


宿屋兼食堂や雑貨屋、飲み屋と、広場には御座を広げて物売り達が呼び込みをしている。


「風香さあ、何とかギルドて無いのかな、異世界の定番だよな」


「それより私達お金を持ってませんよ、何か欲しくても買えませんね」


そうか家は有るがお金は無いな、何か物々交換しかお金を得る方法は無いか考える。


「風香さ、土魔法でコップでも作って売ろうか?」


「なら水筒を作って売りますか、栓をキャップにして水漏れを無くしましょうか?」


「それより、栓でこぼれなくて少しの溝ならどうだ」


「溝ってこの世界に在りますかね、もしなくて特許ならお金持ちの匂いがします」


俺たち2人は夕方までアイデアの出し合いをしていた、。


結局話はまとまらずに、速攻で村を出て、隠れるように森の中に家を出して休む事にした。







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