きっとこれは、あらゆる創作者へ贈る、ひとつぶのエール。

親も教師もろくに自分を見てくれない。行き場のない思いで授業をサボった男子高校生に声をかけたのは海老名先生だった。
怒鳴るのではなく、理を説く。「誰しも苦手な人間はいるから」なんて言って、一方的に説教したりしない。
他の先生とは少し違う。そんな先生が教えてくれたのが、1枚の紙から作れる「折り本」だった。

折り本づくりを通して、少しずつ人との関わり方を学んでいく生徒。初めて感想をもらう嬉しさも知った。
もっといい本を書きたい。だったらこれまでサボっていたけど勉強もしなきゃいけない。
少しずつ、丁寧に生徒に寄り添い共に歩む先生は語る。
「すごい作家でなくても、たとえ些細な作品であっても、それは大切なものなのです」

これはきっと、あらゆる創作者に贈られたエールなのだ。これを読んでいる、あなたにも。


(時に熱く、時に寄り添い道を示す。師弟の関係性を楽しめる作品4選/文=夜見ベルノ)