3枚目・走る

 僕は社会人だ。今日も仕事を終え、帰路についていた。電車から降り、ホームを抜け、駅から去った。暗い夜道を歩いていると、ある子どもが走ってきた。そしてそのまま僕にぶつかってきた。


「ちゃんと前見て走れよ」


 僕は優しく声をかけた。


「ごめっ、な、さいっ!」


 少年はそう言った。


「大丈夫。今度からは気を付けてね」

「はい!」


 子どもはそういって、走っていった。


 僕はそのまま帰っていると、とある女性が話しかけてきた。


「すみません。あの、ここらへんで走ってる子どもを見ませんでした?」

「ああ、さっきあっちの方に走っていきましたよ」

「ありがとうございます」


 僕はそのまま家に帰り、寝た。


 翌朝、僕はテレビをつけたらニュースがやっていた。


『昨日未明、○○県○○市○○町で殺人事件が発生しました。遺体は15歳くらいの少年だったといいます。犯人は二人とみられ、未だ逃走中です。続いてのニュースです……』


 僕は大きな間違いを犯してしまったかもしれない。

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