勇者コージ食事する
グスタフクラスになるには
訓練を重ねて強くなって
『等級戦』で勝利して等級を上げる
それしか無いならやるしか無い。
一通り見てもらったがやはり勇者なのか
武器や魔術の素質はあるみたいだし
ガンガン強くなってガンガン等級を上げる。
そうなったら女の子は
選り取り見取りだって事だ。
そう思えたら何だか楽しくなってきた。
現実離れした環境なのか
自分が何かのゲームの主人公みたいな感じ。
RPGみたいに訓練でレベル上げれば
俺TUEEってなって
好き放題に出来る感じ。
オンラインゲームなら
ゴチャゴチャ言ってくるやつに
実力差をハッキリさせて黙らせる感じ。
そんな風景が頭に浮かぶ。
高鳴る鼓動と高揚感に包まれ
先程までの
『グスタフは数人の妻を持つ』
という敗北感も薄れた。
気がつけばニヤニヤしていたみたいで
「お食事が楽しみなようですので
説明は以上にさせていただきます。
食器は後ほどお下げしますので
ごゆっくり御堪能下さい。」
とイリスに言われ『スン』と我に帰る。
直後イリスはカートと共にテキパキと
部屋を出る。
「強要はナニが切り落とされる」
「双方が同意していればオッケー」
この言葉が頭を過ぎる。
…恋愛なんかは異世界も現実も
あんまり変わらないな…
普段から陰キャとしてクラスでも
隅っこで過していた浩二は
強くなって異世界ハーレムを妄想しながら
食事に付いた。
「不味い」
お米は炊いているが炊き方なのか
品種なのか水分量なのかパサパサしていて
魚も塩を軽く振ってはいるけど
泥臭く身がパサパサしてる。
サラダもよく見たらしなびた葉っぱや
虫食いがアチコチに見られる。
スープはただの塩水みたいものだ。
水も若干濁っているし
臭いし飲みにくい。
確実に日本に居た頃の
あのババアが作る飯より不味い。
「お代わりは基本出来かねますので
量が少なく感じましたら
次回から量を多くする旨書いたメモを
残して下さい。」
とイリスに言われてたが
こんなレベルの食事なら
お代わりや大盛りとか拷問かよ!
と思ってしまう。
「もっと食事を美味しくしてください。」
とかメモに書こうかな?
もしかしてこれが2級兵のレベルの食事で
これは兵士としての等級が低いからか?
1級兵や特級兵は食事も豪華になるって
言ってたし。
この時は自分にそう言い聞かせた。
不味くても食わないと体が持たないから
一気に口に入れて水やスープで流し込む。
「不味い」
何度もぼやきなが完食した。
「あのババアの飯の方がまだマシだったな」
そう思い口から言葉が漏れるも
認めると何かに負けた気がして
口を噤む。
しばらくして再びドアをノックされる音と
同時にワゴンを運ぶ女性が入ってきた。
イリスだ。
「お食事は満足出来ましたか?
食器をおさげしますね」
淡々と事務的な声で食器を下げる。
「もうちょい旨い飯にしてくれないか」
要望を簡潔に伝えるも
「現状の等級では食事は
このレベルです。
頑張って等級を上げてください。」
と冷ややかに返された。
結局待遇は等級次第である。
食事が終わっても
現状娯楽らしい娯楽も用意されてないし、
明日から訓練所での訓練が本格的に始まるので
寝る事にした。
簡素な作りで寝心地が悪いベッドに
ゴワゴワした布団が用意されているので
日本のスプリングが効いたマットレスと、
ふわふわの布団を思い出しながら
静かに眠りについた。
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