狼狽

友達が目の前で車に跳ねられた。その車は逃げ、取り残されたのは動かなくなった友達と僕だけ。人は、いない。だから僕が、何とかしなきゃいけないのに、足が震えて……

「大丈夫だよ」

友人が立ち上がった。

「僕、不死身だから」

笑顔で出鱈目に骨折した身体を治す友人に、僕は乾いた笑いを漏らした。

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