たからもの

目の前が、段々暗くなる。小さい頃の私だったらきっと逃げ出しているけれど、ダイバーとなった今はそんな風に思わない。むしろ、もっと……。やがて、深海の底に辿り着く。沈没船だ。この辺にあるかな……。周辺を彷徨っていると、一個の時計を見つけた。


見つけた。沈んでなくなった、父さんの時計。

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