第23話 飲み会三度 2

23 飲み会三度 2


「今日は仕事モードを、徹底的に排除する。砕けるだけ砕けよう。」桜田が開会の挨拶?をした。


「松井部長では、堅いので今日は・・・松井 心(こころ)だから・・心君です。」と松井を紹介した。


『ココロ君って・・・可愛いじゃねぇか(笑)』佐藤は相変わらず変なツボで笑っている。


美作は小声で小林に耳打ちをした。

「僕達はココロ君様にしようね。」


「それはそれで、面白いね。」小林も賛成のようだ。


「私の事をからかってませんか?」松井が困惑した顔で、桜田に聞いた。

「心外だな~。あれを見てよ。」桜田が指を指す方向には

佐藤、小林、美作が3人三つ巴でじゃれ合っている。


「ほら見てよ。あんな感じになちゃうんだから・・・私達もテンションが必要でしょ?」


「何か・・・凄いですね。」松井は本気で驚いている様子だ。


   ***


お酒の席は大いに盛り上がり


「カケル君、プリッツそっちから食べて。あ~ん。」とかやってるし。


「あっ、美作君。ダメですよ。」桜田のヤキモチが、始まった。


「何だ??この状態(笑)」松井は初めて見る光景に、興味津々だ。


  ***


「ココロ君様、飲んでますか?」やや輪の中に入り込めない松井を気遣って、小林が声を掛けた。


「ココロ君様って・・・(笑)」


「いっぱい食べて、飲んで下さいね。」


「うん。有り難う。」と言いながら、『小林さんって、カッコ良いなぁ』と思った。


それを見透かしたかの様に、美作が

「ココロ君様、コバちゃんを口説いちゃダメですよ。僕のですから。」


「そうなんだぁ。」松井が少し残念そうに言うと


「違います。」小林は即答した。


「照れなくても・・・本当はどうなんですか?」松井が冷やかすと


「断固として、違いますから。」小林はキッパリと言い切った。


   ***


「佐藤、美作君とくっつき過ぎ。」桜田が不機嫌顔で言うと


「気をつけます。」と棒読みで返した。


「何かその言い方、ムカつく。」桜田も負けずに言うと


「かしこ、かしこまりました~。」と佐藤が巫山戯たので


「おいっ!!」桜田が突っ込む。


「佐藤が私の話を、真面目に聞いてくれない~。」最後の手段、美作に訴えた。


「翔たん。細かい!!いちいち五月蠅い!!」既に佐藤は酔っている。


「ねぇ・・・今、五月蠅いって言われた?」美作に確認をとっている。美作も苦笑いだ。


「私の事・・・信じてないんですか?」佐藤がシリアスな顔をして言った・・・と思ったら

「な~んて。にゃはははは」と笑っている。・・・やっぱり酔ってる。


ビックリして桜田も釣られて笑っている。


   ***


「佐藤さん、楽しそうだね。」松井が佐藤にバックハグをしながら聞いた。


「あっ、ココロ君様。」佐藤もこの呼び方が気に入ったようだ。


「ココロ君様、佐藤に手を出すのは、ヤ~メ~テ~。」桜田は、酔っているけど本音を言っている。


   ***


そうしている内に、雑魚寝状態で全員眠りについていた。

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