第220話 束縛(7)

 わたくしの方はロベリアが自身の身体を挺して止め。ドン宰相の方はレオンが、自身の身体で止めつつ。わたくしの攻撃からドン宰相を守ると言った荒々しい出来事が、王の玉座がある大講堂で起き──。


 その場が喧騒へと移り変わる惨事が起きて。


「ソフィア! いい加減にしないか!」と。


 わたくしは陛下──。自身の夫に『コラ!』と叱られ。


「陛下、申し訳ございません」と、自身の頭を深々と下げつつ謝罪をすれば。


「ドン宰相も、レオンの言う通りで、らしくはないぞ。いつになくムキになって。それもソフィアに」と。


 陛下はドン宰相に対して、にへらと笑いつつ、尋ねるように告げる。


「申し訳御座いません、陛下……。わたくしもソフィア閣下相手に、ついついとムキになり、本当にすいませんでした」と。


 ドン宰相は、わたくしに対しては最後まで、自分は悪くはなにのだと言った感じで、頭を下げてはきませんでしたが。


 陛下に対して彼は、素直に自身の頭を下げ、詫びたので。わたくしもあやつのことを穏便に済ませ。それ以降は陛下にも叱られるので、ドン宰相に呻り、噛みつくようなことはしないで無視を続けたのだが。




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