第212話 陛下! (8)

「は、はい。女王閣下」と。


 この男! セバスはね! 以前のようにわたくしのことを『ソフィア殿下』と、以前のような呼び方……。


 そう、いつまでもわたくしのことを子供扱い、姫殿下扱い、ミネバよりも格式が低い、妃風情目が! とでも言いたい顔、悪態をつく行為を辞めて。


 わたくしへと深々と頭を下げ、上げれば。


 セバスの奴は、自身の顔色を変えたままで、慌てて部屋の扉を開け、廊下へと出れば。


 やはり慌てて扉を閉めてくれるから。


 その後は、わたくしは怪訝な表情で、「フン!」と鼻息を荒く立てると踵を返し、陛下のことを見詰めるとニコリ!


 わたくしは満身の笑みを浮かべつつ。


「陛下~、ソフィアは寂しかったぁ~」と。


 わたくしは陛下へと甘え声音を漏らしつつ慌てて駆けより、抱きつけば。


 チュ~だ!


 チュ~なのだ!


 陛下の顔中へと接吻の雨嵐を注ぎつつ、心から甘え、貪り始めると。


「ソフィア~、セバスを余り苛めるな~。今は世に忠誠を尽くすと、あの男も申しているのだから」と。


 わたくしは陛下に諫められるから。


「は~い、陛下~。申し訳ございません~」、


「ソフィアが悪ぅございました~」


 わたくしは少し拗ねた声で、陛下の膝の上に座りつつ甘えながら謝罪をし、終われば。

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