第160話 男の行動(5)

 だからあの男はミネバに怯え、わたくしの時のように、慌てて後ろへと下がると、言うことはしなかったらしいと。


 私はイモールのことを監視していたルイスから報告を受け。


「う~ん、そうですか……」と。


「やはり」と声を漏らせば。


「そうそう」と、ルイスはケラケラと笑いながら呟き。


「姫様の思っていた通り、言われる通りで。あの男とミネバ夫人は深い仲だよ。間違え無しに。まあ、周りには出来るだけ、二人の仲を悟られないようにはミネバ夫人の方を振る舞ってはいたけれど。イモールの奴の方は、自身の頭を下げ、ミネバ夫人に平服しているように、装ってはいたけれど。あの男、姫様やアンさんに荒々しく告げられた時は、自身の顔色を変え、慌てて下がり。姫様やダイアナ様から距離をとったのに。ミネバ夫人にあれだけ怪訝な表情と重たい口調で告げられても、全く動じず。怯える事もしないで、その場にいたからね」と。


 ルイスは、いつもの調子で笑いつつ、不倫確定現場の一つを見つけたと。


 彼女は楽しそうに、わたくしへと説明をすれば。


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