第96話 お城に戻った私(4)

「陛下~、わたくしの精霊付きの能力は、毒が混入しているかもわかりますが。自身の喉を毒を含んだ物が通れば、魔力で瞬時に毒消しができるので、わたくしとお腹にいる子には、何の弊害も及びませんが。でも陛下の身体は、そう言う訳にはいきません。だから陛下が一番信用、信頼できるわたくしに毒味をさせてください」


 わたくしは今度は、陛下へと微笑みながら告げるのではなく、真剣な顔で夫へと嘆願をする。


 更にこんな言葉も付け加えながらだ。


わたくし以外の者達……。メイドや執事が陛下の料理の毒味をするたびに他界をするようになれば、その者達が可哀想です。だから絶対に死なないわたくしが毒味をする方が、メイドや執事達も喜ぶと思うのと。わたくしが陛下の料理の毒味をしている間に。本当に毒が混入されていて、わたくしがそれを口にして発見! その後もわたくし平然と料理を口にして、次の日も元気に場内を、お腹にいる子のために歩き回っているのを暗殺者達が見れば、陛下やわたくしの毒での暗殺はあきらめると思います。だから陛下、城内から悪しき者達を駆除するまでは、わたくしに毒味の件はお任せください」と。


 わたくしは陛下に一礼して嘆願!


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