第91話 容疑者の一人(16)

「わぁ、貴方~、絶叫をあげることができたから凄い! 凄いですわね~。わたくしはびっくりですよ。本当に~。貴方は本当に凄い御方~」と。


 ヒットマンの男をわたくしは歓喜しつつ、褒め称えるのですが。


 彼は絶叫を吐き終えると。


 自身の身体の力ぬけたようにだらり。


 幽霊みたいな様子にかわったので。


 わたくしは面白くないから。


「思っていたよりも。この男、持ちませんでしたね……。ああ、面白くな」と。


 わたくしは憤怒! 不機嫌な顔、声音で独り言を呟けば。


 ドンだ!


 それもウルソー達近衛騎士団の者達の前へと、ヒットマンの男の亡骸を放り投げると。


「「「「「ヒッ!」」」」」


 と、ウルソーを含めた近衛騎士団の者達から、恐怖に驚く声!


 そして彼等は情けなくも、その場に腰を抜かしたように尻餅つきつつ。


 わたくしに対して怯えた顔をするから。


 わたくしは魔王の如き、恐ろしい形相から、また女神の顔へと戻すと。


 ウルソー達、近衛騎士団の者達を見下ろしながら。


「近衛騎士団のおじさま、お兄さま達は、少しは楽しめましたか?」、


「うっ、ふふふ」と。


 わたくしは薄ら笑いを浮かべつつ、尋ねる。

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