第8話 理人SIDE 文句の言えない 追放
「すみません、貴方は魔族と戦うにはステータスに問題があります! 身分証明と支度金を渡すので出て行って貰えないでしょうか?」
そう言われてしまった。
まぁ、これは仕方が無い。
この世界は異世界、ルミナス。
俺達を召喚したのはこの世界にあるデリモス王国。
召喚先が王国の城で、あの後、歓迎を受け、翌日から勉強や訓練が始まった。
おおよそ、この訓練は6か月続きその後、戦いの場に駆り出される予定だ。
今はまだ2週間目。
この世界の知識をおおよそ教わり、そろそろ本格的訓練が始まる時期、俺は同級生に今の時点でもついていけない。
女神との会話で俺が戦力にならないのは解っている。
実際に、この話になる前に、王女は文官への道も進めてくれたが断った
異世界召喚としての対応は凄く良い方だ。
これで文句を言うのは間違っているよな。
同級生は『死ぬかも知れない生活を送る中』俺は安全を手にした。
同じ待遇を望んだら、それこそ公平じゃない。
だから、これは当たり前の事だ。
俺は異世界に転移する時に身の安全を望んだ。
その望みを女神が叶える為に、他の転移特典が無い。
俺の戦う能力は他のクラスメイトより低いのも納得した。
だから、これは至極尤もな話だ。
「解りました!今までお世話になりました」
俺は快諾して城を出て行く事にした。
寂しい事に、特に、親友、幼馴染とかは居ないしな。
◆◆◆
「こんなに貰えるのですか?」
「はい、以前はもう少し少なかったのですが、以前、立ち去った方への支払いが少ないと魔王討伐した異世界の勇者様が王族になった時に提案しましてこの金額になりました、まぁ私の曽祖父なんですが…」
「ありがとうございます」
「いえ」
渡された金額は金貨30枚(約300万円)だった。
しかも、盗難に遭わないように、冒険者ギルドの受付が王城にきて、冒険者登録をしお金もその場の手続きで金貨3枚残して口座に入金された。
「冒険者としての登録も終わりました。冒険者をする必要は無いですが、そのカードが身分証明書になります。 私達が何かしてあげるのは此処迄です…此処からはご自身で頑張って下さい」
王女が此処迄するのは、恐らく誠意だろう。
それと同時に此処で『手切れ』そう言いたいのかも知れない。
文句を言えない対応だ。
此処からは…自力で頑張るしかないな。
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