目を覚ました怪人は・・・
「そこまでだ!」
その言葉で俺の意識は覚醒した。
覚醒したと言っても状況がわからない。
周囲は瓦礫まみれで俺の目の前には変な格好?全身タイツっぽい格好をした男がいる。
次に自分の手を見ると人の手じゃない。
手袋でもしてるのかと思ったが、その部分に感触がある。
どういうことだと思い、周囲を見渡すと偶然、大きなガラス片ろ見つける。
それに映るのは人間サイズの化け物の顔。
「どういうこと?」
混乱しているうちに全身タイツの男が殴りかかってくる。
「うお!」
なんとか回避すると回避した地面が男の攻撃で砕ける。
人間の力でこんなことできるか?
頭がサァーっと冷えて、そのおかげで覚醒する前の知識が浮かんできた。
自分は改造されたようで、その改造のせいで破壊活動を楽しんでいたようだ。
それ以前の記憶がないのはどういうことだと思ったが今はそんな暇はない。
目の前の全身タイツ男から逃げないと殺される。
逃げつつ、自分に何ができるのかと探っているとなんとなくだが、力の使い方がわかった。
口に溜めた唾液を泡にして吐き出す。
吐き出された泡は物に接触すると
ボン!
周りを巻き込み爆発した。
「くっ!厄介な敵のとようだな。」
爆発に巻き込まれた全身タイツはそんな言葉を吐いているが、傷一つない。
うーん。これは負け確。
なら、この能力を利用して逃げるしかない。
泡を調整して小規模の泡を大量に吐き出すと周りに散布。
瓦礫に当たると瓦礫が崩れ、あたりに煙が立ち込める。
「これ以上時間をかけると周りの被害が!
しょうがない、チャージ!」
煙の向こうで全身タイツが光るのが見える。
あれは決め技だろう。
なら、やることは一つ。
煙の晴れた時、仁王立ちで立っている俺に対し、全身タイツは空へ飛び上がると○イダーキックのような構えをとる。
「はあああああ!」
その蹴りは俺の腹に当たり、俺は背後の瓦礫へと叩きつけられる。
なぜかこちらに背中を向けて、余韻に浸っている間に俺は爆破の泡を大量に吐き、それを起爆させる。
ドオオオオン!
泡が周囲を吹き飛ばすほどの爆煙が起こる。
これで多分、相手は俺を倒したと思うだろう。
で、なぜ、無事なのかというとリアクティブアーマーというものを思い出したからだ。
これは衝撃に対して、内部から爆破させるとそれを軽減させる効果がある装甲。
賭けであったが、腹部分の殻のような内部に泡成分を集中してその効果が発動した。
お腹に少しやけどを負ったがなんとか生きている。
それと同時に殻の下には人間らしい肌が見えた。
後は全身タイツが去っていって、瓦礫の中から逃げればいい。
とはいえ、この後、どうしたものか。
自分が何者かもわからないし、改造した元凶、全身タイツに追われることになるだろうし。
普通の日常戻れるのかな・・・。
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