第13話 ロマンダリノープル侵攻
ラッキースケベがなく残念がる英雄を遥香が蹴りを入れておしおきしていた。
さんざん遊んだのでみんなオアシスから上がってデッキチェアで休憩をする。櫂渡もさっきは飲みそびれたフローズンダイキリを改めて飲む。
「この世界なら私たちもアルコール飲んでもいいんじゃない?」
って遥香が言うが、もうあと少しで誕生日だから我慢させた。
砂漠は夜になると急に寒くなるので、簡易的な建物をゴーレムに作ってもらい暖炉を作ったりした。結局夜ご飯はバーベキュー。簡単でたくさん食べる英雄も満足するからね。
「シルビア、カイト様のお嫁ってズルくないですか?私もなってもいいですか?この世界は一夫多妻だからいいですよね。私みたいな聖職者が嫁げるのは神みたいなカイト様だけなんです。」
ソフィアは誕生日が過ぎてて二十歳になっているらしいので飲酒を止めてなかったからすっかり飲んで絡み酒だ。まぁシルビアが笑いながら対応しているので大丈夫だろう。ソフィアの酔っ払た姿はとてもかわいらしい。絡み方もまぁまぁめんどくさいけどかわいい範疇だ。
その様子を楽しく眺めながら明日の計画を考える櫂渡であった。ロゼリアナ王国の監視をしてもらっているフェンダル王国のクレイオールに連絡する。
「サンホゼーロは教会本部。ゴーヨ、メルザンは国王フォベルトのいる王宮に籠もっているな。」
と、クレイオールが教えてくれる。
「ロマンダリノープルに攻め上がればいいか。カノーペル王国にいる第二王子を立てて攻め上がるか。どっちにするかな?そういえば、第一王子と第三王子はどうしてるのかな?」
「浪費壁の治らない第三王子は少し前に大公の地位をはく奪され幽閉されています。第一王子は静養先に引きこもって静養に努めています。体調は芳しくありません。」
「フォベルトを討てばもうカノーペルにいる第二王子しかいないわけだな。先代の遺言も第二王子だったわけだし。」
「第二王子が功を建てなくても必然的にそうなるから、面倒な事を考えずにロマダリノープル陥落させたらそれでお終いだぞ。」
「それじゃ、大勢ゴーレム並べてロマンダリノープルを練り歩くか。魔王だし俺。」
翌朝、ロマンダリノープル上陸作戦へ向かおうとする櫂渡にソフィアが
「私も連れて言いて下さい。しっかりお礼をしないとならない相手がいますから。」
という。それに続けて遥香も
「私たち三人もついて行きます。ソフィアを監禁した男をぶちのめさないとならないから。まさか、ガルディッシュイーグルで殺しちゃっていないよね。」
「殺してないよ。殺さずだからね。」
「ほっぺに十字傷はないわよね。」
意味の分から無い質問はおいといて、
「じゃあ、連いてこい。フェリル悪いがシルビアをつれてサンドルア王国で待っていてくれるか?」
「わらわもいくぞ。シルビアの護衛ならヨーセルに任せておけばいい。」
「そうするか、ヨーセル任せられるか?」
「もちろんでございます。」
「シルビアもヨーセルを乗せて行ってくれ。気をつけて安全運転でな。」
「わかった。気を付けてね。帰ってくるの待ってる。」
「ヒュー!暑くて、あまいねぇ。」
と、英雄が冷やかす。櫂渡もシルビアも無視してたけど、遥香がきっちりお仕置きをしていた。
櫂渡たちは港へ、シルビアとヨーセルはサンドルアに向けて出発する。
港にはアントンが迎えに来た。アンディアナは身重なためアマゾニア女王国にいる。行くと言ってきかなかったらしいが、ポリューテとアントンがなんとか説得したらしい。
船は出航すると間もなく海がひどく荒れ始めた。櫂渡は例の嵐の魔道具だろうなと思ったが、船はこの程度ではびくともしない。
「港の見えるところにゴウヨのスパイが潜んでいたようだな。」
通信の魔道具みたいなのがあるのかも知れないなと思いつつ櫂渡は
「この程度の嵐ならこの船は平気だけど、体力を無駄にすることもないからな…」
と言って、船全体をシールドで覆い、水面は櫂渡が行きたい方向に流れるように平らにして進む。
順調にロマンダリノープルの港に到着する。ラン、ホウ、オウも最大サイズで威圧する。ドラゴンだろうか?というサイズまで大きくなる。
ハティとスコルも大きくなる。大きな馬どころか象のようなサイズだ。
それらを従えて先頭にフェリルが歩く。
その後ろに百万体のゴーレム隊を進軍させると、地上を埋め尽くさんばかりの集団になった。ロゼリアナの軍隊は何もできない。もともと、ほとんどの兵は砂漠地帯での戦闘で捕虜になっていて守備ができる兵は残っていない。
まずは王宮を囲んだ。近衛兵は残っていたが戦わずに降参した。フォベルト、ゴウヨ、メルザンと宰相のサミリオを捕縛する。
「ふん、どうにでもするがいい。調子に乗るなよ」
とゴウヨが吐き捨てるように言う。
「サンドルア王国への工作は度が過ぎたな、一般庶民を虐げるのは許せない。サンドルア王国へ送るのでそこで裁きを受けるがいい。メルザンはメロルビンへ送るからそこでの沙汰を待つがいい。」
「魔王に、魔王なんかに、従属なぞせんぞ。」
メルザンは何かにとりつかれているかのようにぶつぶつと呟いていた。
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