その10 めんどくさがり、再戦の前の作戦準備

おそらく、この特殊クエストで最後の戦い。

目の前のウルフの群れを見つめる。LGO側が気を利かせてくれているのか、ウルフたちはこちらに来ることはなく、こちらの様子をうかがっている。


「......」


俺とクイだけの時は敗北した。今回はオルがいる。しかし、それだけで勝てるとは思えない。どこまで行ってもオルとのコンビネーションは付け焼刃。敗走のイメージが足を鈍らせる。


一度、改めて自分たちの武器を確認する。

俺は【アクアバレット】と心もとない初期装備のナイフ。クイは【糸撃】。オルは【爪撃】、かみつき、体当たり。

この武器でどうウルフの群れを仕留めるか。


ウルフの群れとの戦いを思い出せ。

前回の敗因は相手の手数に対応できなかったこと。1体を追い詰めても他の個体がカバーに入るため、攻めきれなかった。しかし裏を返せば、ウルフ1体だけならテイム可能なライン、体力ギリギリまで行けるのだ。つまり今の俺とクイだけでもなんとかなる最低ラインはここ。


作戦を考えよう。まずはこちらと相手のステータスを見て、何ができるかを確認する。


―――――――――――――――――――――――――

ネーム:ジン

ジョブ:テイマー

レベル:3

性別:男

体力:33/33 魔力:33/33

ジョブスキル:2

【テイム】【コール】


マイスキル:3

【水魔法2】【騎乗】【鑑定】

 └【アクアバレット】5発計5ダメ

 └【アクアランス】1発?ダメ

ギアスキル:1

【解体】

―――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――

ネーム:クイ

種族 :スパイダー

レベル:3

性別:メス

体力:20/20 魔力:10/10

マイスキル:1

【糸撃】1発3ダメ+移動低下デバフ

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―――――――――――――――――――――――――

種族 :オル

レベル:3

体力:24/24 魔力:14/14

マイスキル:1

【爪撃】1発5ダメ

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そして相手のスタータスがこんなもの。

―――――――――――――――――――――――――

種族 :ウルフ

レベル:3

体力:15/15 魔力:5/5

状態:ノンアクティブ

???

―――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――

種族 :ウルフ

レベル:4

体力:18/18 魔力:8/8

状態:ノンアクティブ

???

―――――――――――――――――――――――――



俺に関しては今の【鑑定】の使用で【鑑定】がマイスキルに登録されたのと、さっきからオルとのボアを倒したときに【水魔法】がクラスアップして【アクアランス】というアーツが追加されている。


ウルフの群れに関しては、1体だけレベルが1つ高い個体がいた。おそらくあの個体が司令塔的個体だと予想する。



戦っていない今の状態でこれ以上情報を手に入れることはできないだろう。だから今の情報から、作戦を立てる。

まずは2つの2対1を作り出す。内訳はオル対ウルフ2体(陽動)と俺とクイのコンビ対リーダーウルフ(討伐)。


陽動側のオルは推定リーダーではない個体を引き付けてもらう。目的は倒すことではなく、俺とクイの戦いに余計な介入がないようにするため。加入したばかりのオルに陽動を受け持ってもらうのは申し訳ないとは思うが、頑張ってもらう。


討伐側の俺とクイは、【アクアバレット】と【糸撃】の主軸にして戦う。だが、それだけでは決めきるのに時間がかかる。だから不安要素の強い、今修得したばかりの【アクアランス】も使う必要がある。

どれだけのダメージを与えることができるのかは不明だが、名前からして【アクアバレット】よりも高威力なものだろう。問題は射程と速度の把握だが、それに関しては案がある。


思いついた作戦を2体に伝える。オルは少し不満そうだが、作戦と思って協力してくれるようだ。


作戦はできた、準備も整った。

さぁリベンジの開始だ。











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