問題点(←世の中難しいよね……
「支離滅裂って知ってる?」
カケルは最初にそう言った。
「まぁ、知らないか。お前バカだもんな」
カケルは次にそう言いやがった。でも口元は笑っていた。苦笑い、に近いかな?
「んで、僕とチーム組んでくれるの?」
「まぁ別に良いけど」
「そうだよね、やっぱり無理……ってえぇ?!」
勿論あんな支離滅裂とした告白(?)なんてダメ元だった僕。カケルのまさかのOKに驚きが隠せないのも無理はないと思う。
「どうせ断っても何回も言ってくるだろ」
「よく分かってるね。当たり前じゃん」
実際、謎の告白しながらもカケルのメリットをめちゃめちゃ考えていた。そんな中でネタ枠として出てきたのが(出てくんなって話だけど)僕の手伝いが出来るってやつだった。まぁ、喧嘩売ってんのかって話だよね。
「まぁチーム組むのは良いんだけどさ……」
「ん、何?」
カケルが語尾を濁した。言っていいのか……っていうこちらを気遣う視線も投げてくる。うん、いいよ──と満面の笑みで頷くとカケルもホッとしたように口を開いた。
「良かった。チームを組むのには最低でも三人必要だけど、大丈夫なんだな。俺も当てはあったけど、出来れば行きたくなかったからな」
…………えぇ? 何それ初知りですよ?
「え、今頷いただろ」
「いや言いにくそうにしてたから言っていいよって意味の頷きだよ?!」
言葉って大事だな、って思った。もう一人どうしよう、とかより先に思った。強く強く魂に刻んで置こうと思った。言葉とはコミュニケーションにおいて必須のものである、と。
「はぁ……どうするんだよ、もうひとりにいないと結局チームは組めないぞ?」
カケルの呆れたような顔……今回ばかりは呆れられても仕方ないような。いや、カケルが最初から言ってくれれば良かったんだからカケルが悪いんだ!
「おい」
「あ、そういえば当てがあるとかなんとか……」
「露骨に話を逸らすなよ!」
カケルがなんか不安そうだが置いておいて──
「おい、いい加減に──」
「カケル。今、時間、ないの!」
「殴っていいか?」
ダメだよ、僕の顔が傷ついちゃう──と真顔で言っておいた。本当はこんな女の子っぽい顔嫌いだし好きじゃないけど、こーゆー時は役に立つ。え? 神経逆撫でしてるだけ? んなわけないじゃないか〜。
「そ、れ、よ、り! 当てがあるんだよね?」
「……はぁ。無いこともないってくらい。組んでくれるかどうかは分からん」
どうやらカケルは誘えそうな人は知ってるがその人がチームを組んでくれるかどうかは分からないらしい。
「うん、今そう言った。まぁとりあえず放課後行ってみるか」
「放課後? 今じゃ駄目なの?」
「あぁ。どうせ家にいるだろうからな」
ふむ、なんか雲行きが怪しくなってきたなぁ。こんな朝に家にいるってことは不登校児なのかな……
ん〜、僕やカケルみたいに魔法適正1で自信なくなって……みたいな感じかな。
「
「……え?」
「そいつ……伊織が俺の当てだ」
柊樹伊織……その名はカケルを知らなかった僕でも知っていた。だって、彼女は、学校一の魔法使いにして日本初の魔力適正『観測不能』を叩き出した稀代の天才として世界中に名を馳せた人物なのだから。
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