思考実験集

1回目の実験

クローン人間に関する面白い実験を思いついたので、皆んなにぜひ紹介しようと思う。

なお、SF作品で使おうと思ったそこの脳の無い輩は才能ないから小説書くのなんてやめた方がいいゾ♡

◆

クローン人間はいわゆるコピー。遺伝子的に全く同一の人間を何体も作り出すというものだ。

この題材では遺伝子的に同じであることが条件であるため、最初は双子を考えていたのだが、同一の遺伝子を持っていないということでクローン人間に置き換えたという経緯がある。おそらく齟齬はないのでご容赦願いたい。

ここに遺伝子的に全く同じ人間がいる。（ここからは被験者と呼ぶ）被験者たちは全く同じ環境で全く同じ教育を受けてもらう。そうするとどうなるだろう。

同じ人間ができる。と考えるのが普通だし自分もそう思う。

しかし、そう考えてはいけないのである。

理由は後ほど説明するが、もう一つ被験者たちに実験をしよう。

ここに何も意味のないカードが六枚ほどある。ハートや星、丸などが描かれていてただそれを選ぶだけである。

ロシアの双子の実験であったものと同じ類のものだと思ってくれて構わない。もっとも、超能力的なものが双子に備わってるのを確かめるわけではないが。

そして、何も意味のないカードを選ぶとき人間はどうなるのだろうか。同じ人間ができたとしたら思考回路もまた同じであると言える。そうすれば必然的に同じカードを選ぶことになるだろう。

さて、ここで先ほどの同じ人間ができると言ってはいけない理由を説明しよう。

そこに自分の意思というものがないからである。

いや、違うと反論する者もいるだろう。しかしよく考えてみてほしい。

全く同じ過去を持つ人間で同じ遺伝子を持つものなら同じ判断をする。

これを信じてしまっては自分の意思なんてありませんと自ら言っているようなものだ。

想像したら寒気が走るだろう。自分と同じ姿形で、自分と全く変わらない考え方をした人間がそこにいるのに自分は唯一の自分であると言えるのか？

だから人間を人間たらしめるものとして存在するために認めてはいけないのだ。

しかし、我々は神に選ばれた種族では無いということをそろそろ自覚しなければならないのかもしれない。

終わり

◆

あくまで草案という形をとらせていただきます。良い説明や良い言い回しがあればどうぞ