第87話
「メグ…お前、風呂に浸かりながら寝ようとすんなよな」
回復の時にも寝ちゃったけど、まだ眠気が完全には取れてなかったのよね。お風呂場で寝そうになっちゃった…
「…悪かったわよ」
寝るつもりは無かったのよ?ただお湯で身体があったまるとつい…ね…
「まあ、昨夜あんまり寝て無かったみたいだから仕方ねーか。今日は早く寝て明日からはしっかりしてくれよ?」
「大丈夫よ、ミヤマさんにお任せくださいって言われて安心したわ。お陰でぐっすり眠れそうよ」
明日は寝不足にならずに済みそうだから、ケイトも安心していいわよ。
「ああ、そりゃ良かったな。それじゃ、飯にするか」
そうね、お腹も空いたし。不安な時はあんまり感じなかったのに、やっぱり安心すると違うわね。
「ねえ、ケイト…呪いが解けたら私も新しいスキルを覚えられるのよね?」
夕食を食べながら、ケイトに確認してみたけど…
「なるだろうな…なんだ?覚えたいスキルでもあるのか?」
やっぱりなるわよね!私の質問に答えた後、ケイトに覚えたいスキルを聞かれたわ。でも…
「もちろんあるわよ!生活魔法に収納に…上げていくとキリが無いわね。冒険者としてやって行くなら便利なスキルはいくらでも欲しいなぁ」
便利なスキルは欲しいけど、今は覚えられるなら何でも覚えたいって気持ちもあるわね。
「なあ…メグは、冒険者としてやって行くつもりなのか?」
…どういう意味かしら?
「何言ってるの?私は冒険者なんだから当たり前じゃない?」
冒険者が冒険者としてやって行くのは当たり前よね?
「そもそも触手しかスキルが使えなくて家を出て冒険者になったんだろう?
それなら触手以外のスキルが使える様になったら家に戻れるじゃねーか」
「そう言えばそうね…そんな事まで考えて無かったわ」
きっかけはそんな感じだったけど、今は冒険者として楽しくやってるから、冒険者を辞めるなんて考えもしなかったわ。
「いい機会だ。冒険者を続けるのか辞めるのかを含めて、これから先どうしたいのかを色々と考えてみろ」
「そうするわ」
「何にしろ呪いが解けたら一度は王都に戻らねーとな」
「報告した方がいいもんね。お父様とお母様に会うの久し振りだなぁ」
屋敷の皆んなも元気にしてるかしら?
「久し振りって、まだ半月くらいしか経ってねーぞ?」
「もう半月も経ったの間違いでしょ?今までほとんど毎日一緒に居たんだから」
「まったく…追放ですわなんて言ってたのは何処のどいつだよ…」
…さあ、何の事かしら?
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