第4話goki哲学4 ~プライドと偏見~

少々愚痴をこぼすが宜しいか。私の従兄弟は法政大卒で職を転々とした後現在群馬の病院で看護助手として勤務している。入院中具に仕事ぶりを観察していたが親戚の贔屓目かもしれぬが国数英理社或いは単純に仕事の能力から行っても他の正看護師たちを圧倒的に凌駕していた。それでも「彼は無資格だから」


と満足な権限も与えられない。看護師の最も重要な仕事は看護記録をつけて医師に伝達する事だ。ここで国語力を始め基礎学力が非常に物をいう。私には従兄弟に看護記録をつけさせる方が他のボンクラ看護師の記録より余程意味がある様に思えた。


私は現在転職活動中であるが職歴が満足にない事、日大中退である事などから難航している。殆んどの採用担当は「海城高校」すら知らない。海城がどのような所か。現在でも卒業生の20%は東大に行く学校だ。私は現役で立教法学部に受かってるが滑り止めですらなかったので入学する気はなかった。


そもそも東大以外行く気はなかった。まあ能力が足りないくせによくそこまで思い上がってと今なら自分でも考えるが、東大まで紙一重だったのも事実だ。別に自分が偉い人間だとか言うつもりではないが、企業の採用担当或いはTwitter民というのはまず彼我の絶対的な能力差の認識、最低限のリスペクトは必要と考える。


私が各界の有識者、言論人をはじめ東大京大、医師、弁護士、公認会計士、官僚などにリスペクトを払うのも、その彼らの登った山が如何に大きなものであったかを半ば体験しているからである。畏れを抱けるのは畏れを知る者だけである。とまあ毒を吐きたくなる夜もある。


学歴、職歴、資格がどうとかより人間としての絶対的な能力。私の仕事を「まぐれ」だとか「偶然」だとか頭から否定してかかる人間の多い事。近親者ですらそういう反応であるから一般人はそれが自然なのだろう。だが、「何もおかしくない。病気が治って昔のお前に戻っただけだ」というのは父と山本弁護士。二人とも東大法学部なのは決して偶然ではないと思う。

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