第34話 内輪の作戦会議
天国をクリアした俺達は地獄エリアの情報を集めていた。
今の最前線は地獄エリアの第二エリアらしい。
第一はなんとかクリアできたんだとか。
────ピロン
「ん? 現天獄運営から?」
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プレイヤーの皆様
今週末の土日にイベントを行います。その名も『全プレイヤーで協力しろ! 現世エリアを救え!』を行います。
このイベントでは現世エリアの第一から第五までのエリアから魔物が進行します。それを止めて現世の非戦闘エリアにいる現地人を守ってください。
尚、現地人が亡くなってしまった場合は復活しません。その部分にはご注意ください。
それでは、みんなで救うんだ!
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「なんだとぉ!? これは、ネムさんの一大事じゃないかぁ! 絶対に守る! みんなにも連絡しよう」
◆極一突のグループチャット
世:イベントのお知らせ見ました!?
馬:あぁぁぁ。うるさそうなのがきたぞぉぉ
世:絶対に街のエリアには魔物は入れませんよ! ですよね!?
金:まぁ。落ち着けや。ワイらだけで気張ったところでしゃあないわ
宍:マセラ! 街はワレらで絶対に守ろうぞ! ワレもルルちゃんは絶対にまもーる!
馬:うわぁ。二人もいたわ。うるっさいわ!
風:でもキンドさんの言うことも一理ありますわよね?
有:そうだよ。僕たちだけ頑張ったって数が多きゃどうしようもないよ。
世:だから、みんなで力を合わせましょうよ!
馬:そうは言ってもよぉ。おそらくだが、前線組が主導権を握るんだぜ?
金:そうやなぁ。ワイらはお払い箱やろなぁ。
有:僕もだ
風:そうなるかもしれませんわね。今回ばっかりは。
馬:そうかもな。あとは、どのクランが頭をはるかだが。
宍:ワレの予想はナンバー2の『嵐の夜明け』だろうと思うが
金:あそこなぁ。ブイブイやな
風:でも、一番の方たちはこのイベントへは出てこないのでは?
馬:だろうなぁ。やつらは攻略しか目指してねぇからな。まぁうちもだけど
世:ネムさんがいなくなったらどうするんですかぁ!?
馬:わぁってるって! うるせえんだよ! 今考えてっから!
宍:しかしなぁ。全部のクランが協力するだろうか……
風:難しいですわよね。
世:なんで難しいんですか!?
有:前に一回イベントでクランで協力するやつがあったんだけど、最悪だったの
風:そうでしたわね。裏切りをしたクランがいてデルペナをくらった方たちが大勢出ましたわ
世:そんなことが。でも、今回は現地人が死んじゃったら復活しないんすよ!?
金:一番のやつらはNPCって割り切ってるから関係あらへんねん。
世:そんな!? ひどすぎる!?
宍:いや、そう思っているクランは少なくない
世:じゃあ、参加しないクランが多いということですか!?
宍:可能性はあるな
金:まぁ。うちはうるさいのがいるから参加するとして
有:だね。一人でも行くでしょ?
世:それはそうですね! 俺は一人でもネムさんの護衛をします! 一本も指を触れさせませんよぉ!
金:わかってるから。どうどう。恐いねん。
風:一生懸命なマセラ様もすてき
宍:今バカラが、策を考えているから待ちたまえ
馬:あぁ。いやぁぁ。いやだなぁぁ
金:どないしたん?
馬:いやだけど、『白雷の空』の下についたら楽かも
世:あぁ。チュウメイのところか
馬:あぁん? マセラ、おめぇあそこに知り合いいるのかぁ?
世:あっ、はい。このゲームを勧めてくれた親友がいます。
馬:なんだよ。なら話がはえぇ。『白雷の空』のアイツに連絡つけといてくれ
世:えっ? フレンド登録してないんですか?
馬:……
世:ちょっ!
金:マセラ、察してやれや
宍:自分から頼むのはプライドがゆるさんらしい
風:ふふふっ。バカラさん頑固ですものね
有:変なとこでつっぱるからなぁ
世:わかりました。アイツなら取りついてうまく話をまとめてくれると思います。
宍:すまんな。マセラ。
金:たすかるわ。
風:すみません。マセラ様。
有:クラマスがちゃんと仕事しないから
馬:うるせぇぇ! ちゃんと考えたどろうが! それをn
金:これうるさくなるで。それじゃ
宍:ワレもこれで
風:ワタクシも
有:僕も
馬:ぁぁぁんで俺が文句をいわれなきゃいけねぇんだ!?
世:バカラさん! 絶対街を守りましょうね! 頼りにしてます!
馬:お、おう。
◆
みんなすぐに逃げたな。逃げ足が速い。バカラさんあぁなるとうるさいからな。それはわかってるけど、最後はちゃんとケジメとして挨拶しておいたからいいでしょ。
「グビッ……ハァうまい。チュウメイに連絡するか」
ビールを飲みながら
打つのが面倒なので、ボイスチャットだ。
『おう。
「はははっ。話が速いな。ウチのボスが明のとこのクランと協力したいそうだ」
『ブッ! マジか!? あの人がそう言ったのか!?』
「あぁ。なんだかんだ言って、明のとこのクランを信用してるんじゃないかな。クランマスターにその話を通してほしいってさ」
『自分で話せばいいだろう? たしか元々は同じパーティだったからフレンド登録はしてるはずだぞ?』
その辺の事情までは知らなかった。
けど、あの人のプライドは許せないんだろう。
「察してくれ」
『……そういうことか。わかったよ。うまくいっておく』
「悪いな。頼む」
『最初以来だな。一緒にやれるな?』
「あぁ。楽しみにしてる。けどな、街にはネムさんがいる。わかってるな!?」
『わぁった。じゃあな』
すぐに切りやがった。
うるさくなると思われたな。
俺もバカラさんと一緒か。
「やってやろうじゃん」
口角が上がるのを止められなかった。
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