第10話 極一突グループチャット

金:こちらキンド。ただいま第二エリアを攻略完了。戦利品をネムちゃんに献上中。


馬:ギャハハハハハッ! ホントにイカれてる!


有:あの人、大丈夫?


風:心配になりますわ。


宍:ワレは、あそこまで振り切れるのはいい事だと思うが? 逆に楽しんでる感じがするのだが?


有:あれ、楽しんでるの?


風:楽しんでるのかやんでらっしゃるのか……


馬:あれは純粋過ぎて、ゲームと現実の違いが分かってないかもしれないな。野球少年のようにピュアなんだろうよ! ギャハハハハッ!


金:ワイは、ソロソロアイツが恐いですわぁ


馬:一緒にいてどうよ?


金:動きがエグいですわ。スピードに目と体がついていけちゃってるからすごいスピードで魔物を倒すんですわ。こっちから出てきたのをバッサッ! そっちから来たのもバッサッ! そりゃ、どこに目がついてるn


馬:落ち着け落ち着け! そんなにヤバいのか!?


金:震え上がりまっせ? そんで、アイツはことある事にネムさんの為ぇぇぇ! とか言って突入するんやで!? ヤバない!?


有:うわぁ


宍:それは、相当重症のようですな


有:あの人、クランに入れて大丈夫? なんか問題起こしそうじゃない?


馬:いや、入れよう。面白いし 笑


有:本気?


風:大丈夫ですの?


馬:今は戦力が欲しい。それに、前の奴は速度についていけなくてダメダメだった。キンドの話が本当なら即戦力になる。


金:ホンマやで!? 一回来てみいや!


馬:皆で見学会もいいかもしれねぇな。一回リアルでも会いてぇな。俺っちの助手させたいわ。


金:頭はヤバいかもしれんよ? 大丈夫か?


馬:いやー。意外とまともなんじゃねえかと思うんだよな。だから、女性に対する免疫がねぇんじゃねぇかなぁ。


風:ワタクシとも一度も目を合わせませんでしたものねぇ。


有:だとしても……


宍:会ってみたいのは賛成。ワレも、会ってみたいものだ。どんなお人なのか。


金:マセラはヤバいで。女王の涙のドロップが出たんよ。上回復薬になるって教えたんよ。なんて言ったと思う?


馬:ラッキー!


有:なにそれ? 美味しそう?


宍:売って稼ごう!


風:アリを狩りつくそう?


金:なにそれ?恐い。正解は……


金:ネムさんに何かあった時に使おう! です。あの人、頭大丈夫ですかね?


馬:いいねぇ! 振り切ってるねぇ!


有:なんか、逆に凄い。


宍:あの方は、そんなに出会いがなかったんだろうか?


風:恥ずかしがり屋さんなのかしら?


馬:なんか訳ありっぽいよなぁ。それも含めて話せればいいなと思っててよぉ。マセラは成人してるだろ? ありゃ?


有:あれは、おっさんだよ


宍:なんか気の毒だが、ワレも、あの方は歳いってると思う。


風:おじ様なのは確実よ?


金:そうかな? ヤバい運動能力やで!?


馬:なんか運動してる人かもしれねぇな。


有:スポーツ選手とかだったりして


風:だとしたら、ワタクシ会ってるかも知れませんわ!


馬:やっぱりリアルで会おうぜ!


有:暑苦しそう


金:たしかにそうやな。でも、そろそろ一回集まってもいいかもしれんな。


宍:ワレもそろそろ飲みたいなぁ


有:飲みすぎて絡まないでよ?


馬:アルトはあんま飲まないからなぁ。絡まれても仕方ないだろう? だって、俺らもおっさんなんだからよ! ギャハハハハ!


金:ワイ、今金欠。シルフィ恵んで!


風:仕方ありませんわね。奢って差し上げますわ。


有:甘やかさないで。またギャンブル。


金:ち、違うで? 一押しの子の成長の為にやなぁ!


有:あー。課金


馬:ギャハハハハ! お前が、マセラのこと馬鹿にできんのか!? 貢いでることに変わりはねぇじゃねぇかよ!


金:ワイは、現地人とプレイヤーの区別はつけてるで!? マセラはごっちゃになってるやん!


有:あの人、ヤバい。


風:区別ついていませんの?


宍:ワレは、現地人とプレイヤーの区別はつけなくてもいいと思ってるんですがなぁ


有:えっ?


馬:えっ?


風:正気ですの?


金:えっ? まさか?


宍:いや、パン屋のルルちゃん、可愛いなぁと思ってるんだよなぁ。


馬:シルド、同罪!


有:有罪!


風:罪な御方。


馬:ギルティィィィ!


金:ご愁傷様


宍:恋愛は自由であろう? マセラのおかげで好感度が上がれば現地人ともフレンド情報の交換が出来ることがわかったからな。実は、感謝しておったのよ。


馬:たしかに盲点だったわなぁ。ありゃ検証班も見落としてたみたいだな。あの情報が出てから急いで現世ステージに引き返してるらしいぜ。


金:現金な奴らやんなぁ? ここにはもう何も無い! とか言って早く前線を上げろって言ってた奴らがやで? 戻っとるんやもんな。


馬:まぁ、現地人をそんなに調査しようとは思わねぇよ。盲点だったとこを見事に突いたのがマセラだったんだろ。


金:コイツはもってるやつかもしれんな。


有:もってる?


宍:運をもってる?


馬:あれだろ? 何かを成し遂げるモノを持ってるやつらってことだろ?


金:そうや! もしかしたら凄いやつかもしれん!


馬:俺っちはそう思うねぇ。だから、クランに入れる! どうだ?


宍:ワレは、最初から賛成。


金:まぁ、ワイも賛成かな?


有:僕も、いいことにする。


風:ワタクシもいいと思いますわ。


馬:あっ、一応戦ってる所、見てからにするか


 こうして極一突への参加がまた後回しになったマセラなのであった。

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